友人たちとバー巡りを楽しむ人は多い。夕方から夜にかけて、あちこちの店をハシゴすることで、さまざまな飲み物や体験を探求するのが一般的だ。しかし、オーストラリアで2人の男性は、「24時間で最も多くのパブをハシゴする」という究極のバーのハシゴ旅(パブ・クロール)に挑戦。彼らは1日になんと99軒のパブを周ることに成功し、ギネス世界記録(GWR)を更新した。
24時間で99軒のパブ巡り...多くの困難に直面
この記録を打ち立てたのは、オーストラリアのシドニーに住むハリー・クーロスさんとジェイク・ロイタートンさん。二人の旅は、遅くまで開店しているパブを利用するために真夜中の12時から始まった。Guinness World Recordsによれば、彼らはバーへの移動でタクシーや自家用車などを使うことは許されず、道中では多くの困難に直面したのだそう。
1つ目の問題は開始直後に発生。二人はパブの閉店時間までに、できるだけ多くのお店へ入ろうとアルコールをハイペースで摂取。案の定、体調をすぐに壊してしまったハリーさんは、開始後約2時間後で嘔吐してしまったという。しかし、しっかりと持ち堪え「幸運なことに、何とか持ち直して続けることができました」と振り返った。
その後、二人はIDチェック、ドリンクを注文するための列、ドリンクの消費、そして次のパブへの徒歩移動に14分以内を目指して着々と移動。すると、夕方には前記録である78軒を上回り、最終的に99軒目の記録を達成した。しかし、実際には100軒に達するまで続けるはずだったというが、数え間違いのため100軒に届かなかったそうだ。ハリーはこの挑戦を振り返り、一番大変だったのは多くの水分を消費しなければならなかったことだと語った。
「最初は、2軒目のパブごとにアルコール飲料を飲み、交互にノンアルコール飲料を飲むつもりだったけど、すぐにこの計画を変更した。シドニーでは飲酒に関する法律が厳しいので、すべてのパブに入れるように、酔いすぎないようにする必要があると気づいたんだ」
さらに「ジェイクは大量の液体を飲むことができるタイプだったので、ビールを飲んでいても大丈夫だったけど、私は炭酸飲料が苦手で、できるだけジュースを飲むようにしていた」と続けた。
また、彼らはこの挑戦で合計45キロを歩いたと話し、大量の飲み物を飲んだ体で記録用のカメラ機材を持ちながら、この距離を歩くことはさらに難しさが増したという。さらにカメラ機材を持ち込んだせいで、店内での録音を嫌がられ、10軒以上のパブから追い返されたそう。
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世界記録に挑戦をしようと考えたきっかけとは
ハリーとジェイクがこの記録に挑戦した理由は2つ。多発性硬化症の研究を目的とする非営利団体MSオーストラリアへの寄付金を集めるためと、法改正やコロナによって過去10年間で「壊滅状態」になってしまったというシドニーのナイトライフを活性化させるためだという。
「私たちは、素晴らしいシドニーが再び復活する火付け役となりたかったのです」とハリーは説明。
ちなみに、彼らがこの偉業を達成するために費やした金額は、約14万円(1500オーストラリア・ドル)。かなりの高額な1日限りのバー巡りだが、この金額や様々な困難も含めて、ハリーとジェイクはこの記録達成に喜びを表している。
「正直言って、ちょっと非現実的な気分だよ。記録を破ることだけではなく、記録を破るために綿密な計画と実行から得られる達成感もある」
「翌日の日曜日にはそれなりの疲労があったが、すべてがとても楽しく、友人たちとの素敵な思い出を作ることができた。それに加えて、MSオーストラリアという素晴らしいチャリティ団体に寄付金を募ることができたのもよかった」とGuinness World Recordsの取材で語っていた。
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