ドイツ高級時計産業の聖地グラスヒュッテを代表する機械式時計ブランドのA.ランゲ&ゾーネが、2023年11月11日・12日に東京・代官山で完全招待制のイベント「ランゲ・ハウス2023」を開催した。希少なモデルや新作モデルの展示のほか、本国の職人によるデモンストレーションなど、名門A.ランゲ&ゾーネならではの世界観がたっぷり凝縮されたイベントの模様を紹介する。
奇跡の復活を果たした、A.ランゲ&ゾーネの歴史
ドイツ・ドレスデン出身の時計師、フェルディナント・アドルフ・ランゲがグラスヒュッテに自らの時計工房を開業し、A.ランゲ&ゾーネを設立したのは1845年。ザクセン州に高級時計産業の礎を築き、さまざまな技術改良を通じて機械式時計の製作に革命をもたらした。息子のひとりであるリヒャルト・ランゲもその技術を発展させ続け、27件もの特許を取得。その中には今日に使用されているものもいくつかある。
しかし、A.ランゲ&ゾーネは第二次世界大戦後、東ドイツ政府に国有化され事実上消滅してしまう。その後、伝説的存在として語り継がれていた同ブランドだが、誕生から145年目となる1990年に子孫のウォルター・ランゲが復活させた。以降の快進撃は、時計好きならご存じだろう。
現在ではゴールドまたはプラチナのケースを使った腕時計を中心に毎年数千本のみ限定生産し、美しい装飾を施した自社開発・製造ムーブメントをすべての時計に搭載している。独自の機構であるアウトサイズデイトをレギュラーモデルとして初めて搭載した「ランゲ1」や、瞬転数字式時刻表示を搭載した「ツァイトヴェルク」などが代表作として愛されている。
名門メゾンの技術と哲学が凝縮されたイベント
そんなA.ランゲ&ゾーネの世界観を存分に味わえるランゲ・ハウスの開催は、今年で3回目。会場にはメゾンのアイコンとなっている「ランゲ1」をはじめ、定番モデルからコンプリケーションモデルまで一堂に展示。自社で開発・製造したムーブメント42点やその他のコレクションも紹介された。
当日は、A.ランゲ&ゾーネ商品開発ディレクターのアントニー・デ・ハスがイベントのために来日し、新作「オデュッセウス・クロノグラフ」と「ツァイトヴェルク・ミニッツリピーター・ハニーゴールド」をプレゼンテーション。機械式時計の常識を超えて新たな機構を開発し続けるA.ランゲ&ゾーネの“Never Stand Still”の精神を熱弁した。
さらにグラスヒュッテから熟練の職人も来日。エングレービングやムーブメントの“二度組み”などデモンストレーションも披露。イベントに出席したゲストたちは、匠の技や時計づくりへの真摯な姿勢に直接触れることのできる貴重な機会を楽しんでいた。
A.ランゲ&ゾーネ
TEL:0120-23-1845
www.alange-soehne.com/jp-ja