イギリスの海岸に突如として現れたのは「大量の青い球体」は、ある場所から流れ着いた“アレ”だったーー。その驚くべき正体に大きな注目が集まっている。
バケツいっぱいの「謎の青い球体」
謎の球体の出現が確認されたのは、イングランド北東部にあるティーズ・バレーの海岸。EXPRESSによると、11月15日から4日間「スポンジのような青いボールが1000個以上打ち上げられている」という報告が相次いだことから発覚したという。
ティーズ・バレーの海岸地域の野生生物保護団体「ティーズバレー・ワイルドライフ・トラスト」は16日、この球体の出現についてSNSで注意喚起。投稿に添えられた画像には、ピンポン玉ぐらいの大きさで、スポンジのような青色の球体がバケツいっぱいに入っている。
この投稿には、「なんだこれ!?」「スマーフの仲間?」「いやなんかメルヘンだけれども...」などの声が集まり、地域住民からは「何か危険性があるものではないか」という意見も上がっていた。
気になる...その正体とは?
その後、野生生物保護団体の専門家によりその正体が「タプロゲ・ボール」と呼ばれる、近くにあるハートプール原子力発電所から発生したものと発覚した。
BBCによると、これらはスポンジとゴムでできており、原子力発電所の冷却システムのパイプを清掃するために使用されるという。従業員たちは、清掃作業後にこの球体を回収するため、海に放出されることはほとんどないが、圧力が高まった場合などに川や海に流れ込んでしまうことがあったそう。
出現した原因は最近起こった嵐の影響で、海底に溜まっていた大量のボールが海岸に打ち上げられたのではないか、と保護団体は推測。発電所の所長はBBCの取材で、ボールに「危険性はない」と語り、海水中で“自然に”生分解すると発表した。しかし、完全に消滅するまでには約2年かかり、野生生物団体は地元の野生生物にとって脅威となるのではないかと懸念している。
野生生物団体は、海岸清掃グループとともに、このボールの回収に取り組むとし、地域住民に青いボールを発見した際は報告するよう協力を仰いでいる。原因となった発電所も「私たちは環境保護に真剣に取り組んでおり、ボールが海岸に流れ着いたと知らされた場合、私たちのチームはビーチウォークを実施し、可能な限りボールを回収しています」とプレスリリースで発表。発電所もすでに毎週海岸清掃を行っているという。
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