急いでいる時に「もしも空を飛べたら、渋滞にはまらず目的地まで到着するのに!」と一度は思ったことはないだろうか。その夢が叶うのも近いかもしれない。世界一忙しい街・ニューヨークで、“空飛ぶタクシー”の展示飛行が行われた。
空飛ぶタクシーを、手頃な価格で日常的な移動手段へ
民間旅客サービス向けの電動垂直離着陸(eVTOL)航空機を開発している、エアモビリティ企業、ジョビー・アビエーションは11月13日、ニューヨーク市・マンハッタン上空で史上初の展示飛行を成功させた。お披露目イベントでは、ニューヨーク市長がヘリポートの電化を言及。提携パートナーである、デルタ航空による「空港シャトルサービス」計画が発表されるなど、夢であった空中移動が現実になる兆しが見えきた。
「ジョビー・アビエーション」の公式サイトによると、eVTOL機は「ヘリコプターのようにガスで動くモーターよりも静かに動き、環境にも優しい」と記載されており、利用者は、SDGsに配慮をした高速で静かな移動を体験できるという。2022年にNASAと共同で行ったテストでは、高度1640フィート(500メートル)の上空を飛行した際に、45.2デシベルを記録したことを報告している。この数値は、日常会話や夜の郊外の音量レベルだという。
ジョビー社のCEOのジョーベン・ベバート氏は、市の支援に感謝するとともに、今後の展望について語った。
「世界で最も有名なヘリポートのひとつを電動化することで、ニューヨークは電動航空機の導入において世界的なリーダーシップを発揮しています。市の支援に感謝するとともに、デルタ航空のようなパートナーと協力して、この市場にエアタクシー・サービスを提供できることを光栄に思います」
さらに「私たちは、ヘリコプターの騒音による影響を大幅に軽減しながら、静かで排気ガスのないフライトをニューヨーカーにとって“手頃な価格で日常的”なものへと実現する計画です」と続けた。
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気になるお値段は...?
この“空飛ぶタクシー”は、ニューヨーク市内とJFK空港とラガーディア国際空港(LGA)を繋ぐ、空港シャトルサービスとして運行される。FOX5によると、ウォール街からJFK空港までの区間の移動時間はわずか7分。車で同区間を移動する場合は1時間以上かかり、そのスピードの速さは一目瞭然だ。また、ベバート氏によれば、この飛行機は乗客が乗り降りしている約5分間で充電できるといい、利用者はUberなどのライドシェアアプリのように航空機を予約できるという。
気になる乗車料金は、JFK空港まで1席あたり約200ドルだと予想されており、これは空港から市内までのUber blackの利用料金とほぼ同じである。また、ニューヨーク市長のエリック・アダムス氏は同イベントで、新たな市内の交通手段の実現に向けて下記のようにコメントしている。
「我々は、ヘリコプターの騒音という生活への影響に対処しながら、ニューヨーク市を持続可能な飛行技術の最先端とする」
また市長は、ジョビー社や他のeVTOLメーカーにマンハッタンの都市部にバーティポート(空飛ぶクルマ専用のヘリポート)を提供する意向を示した。ジョビー社は2025年に商業旅客サービスを開始することを目指しており、現在、連邦航空局(FAA)の5段階の認証のうち3段階目にあるという。
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