1953年に誕生し、モダンダイバーズウォッチのルーツとされるブランパンの「フィフティ ファゾムス」。当時の画期的な意匠を、誕生から70年を経て発表された新作モデルとともに振り返る。
「フィフティ ファゾムス」の初代誕生から70周年を迎えた2023年、ブランパンは記念限定モデルを続けざまにリリース。1月発売の「Act 1」から始まった連作は、多くの話題を呼びながら最新作の「Act 3」に至る。
「Act 3」は、1957年に誕生した、欧米主要各国の軍隊採用モデルをルーツとする復刻スタイルだ。白とグレーの防水性表示は、伝説的な米海軍モデルに由来する。軍正式採用の厳しい基準=ミルスペックに準拠する一方で、ストラップは海から回収した漁網を材料とするサステイナブルなナイロン素材で、海洋保護に長年取り組んできたブランドの姿勢をかたちにした。そしてケース素材は、特許取得のブロンズゴールド。37・5%の純金と50%のブロンズを主材料に、淡いピンクを帯びた美しい色合いを特徴とする、華麗にして剛健、素肌にも優しい新機軸のマテリアルだ。
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伝説の名機をいまに蘇らせる、誕生から70年の記念碑モデル
そもそも「フィフティ ファゾムス」の物語は、フランス国防省から戦闘員ダイバーの精鋭部隊編成を命ぜられたふたりのフランス海軍士官による要請から始まったものだ。任務遂行のための特殊ギアの開発に、ブランパンは期待を上回るかたちで応えた。それは、水中で潜水時間や浮上のための時間の計測が可能な逆回転防止ベゼルを備えた、画期的なモダンダイバーズウォッチの発明であった。まもなくして「フィフティ ファゾムス」はフランス海軍潜水戦闘部隊の潜水任務をはじめ、ドイツ軍やアメリカ軍などでも採用されることになる。
不動の信頼に応える技術水準は、21世紀の「フィフティ ファゾムス」でもゆるがない。2023年初頭には、オリジナルモデルへのトリビュートとして細部のデザインを踏襲しつつも最新技術を載せた70周年記念モデルの「Act 1」を発表。続く「Act 2」の「テック ゴンベッサ」は、3時間で1周する針を装備するなど高度なテクニカルダイビングを視野に入れた新ライン「フィフティ ファゾムス テック」の第1号でもあった。そして今回の新作「Act 3」は、ファンの間で伝説となっているミルスペックモデルへの回帰。ケースサイズは元祖と同じ41・30㎜径で、当時と同じオールドロゴを文字盤に掲げた。
一方でボックス型のサファイア風防を新採用し、当時の技術では叶わなかった自社製ムーブメントをのぞかせるシースルーバック仕様になっている。さらにシリコン製ヒゲゼンマイを備えた1000(ミル)ガウスの耐磁性、100時間のパワーリザーブも見逃せない。そう、本作は「歴史の正統性」を内に宿しながらも、過去には成し得なかった性能とブロンズゴールドを纏い、いっそうの輝きを放つのである。
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ブロンズゴールドを纏い、ディテールも現代的に進化
問い合わせ先:ブランパン ブティック銀座
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