1998年に三宅一生により発表されたエイポック(A-POC)を、さらに発展させるかたちで活動を開始した「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE)」。今年10月、指揮者の井上道義と協働し、「TYPE-Ⅰ MM Project」が発表された。長年にわたり世界で活躍してきた井上との取り組みにより、その可能性をさらに広げている。
クラッシック音楽を演奏によって更新し続けるように、衣服も更新していくには何をすべきか。米の籾殻を原料とした新素材「トリポーラス」を糸に練り込んでつくられた生地は、スチームストレッチ技法によるプリーツが加わることで動作がさらに自由に、着心地もさらに軽やかに仕上がった。スタンドカラージャケットやパンツ、ワンピースには、五線譜のようなモノトーンのストライプが施され、多彩なバリエーションが広がっている。また、従来の染色では実現しえなかった「特別な黒」という可能性を実装している。
プロジェクトのプロセスを追った一編のドキュメンタリー映像も公開。井上のもとに集まったオーケストラ65名がエイポックエイブル イッセイ ミヤケの衣服を身に着け、音楽を奏でているが、その動作のひとつずつが新たな服との対話のようでもある。この映像は、エイポック エイブル イッセイ ミヤケ青山店、エイポック エイブル イッセイ ミヤケ京都店、イッセイ ミヤケ ギンザ/442の3店舗で限定上映も。今回のプロジェクトは音楽と人の豊かな関係の中から、服づくりに新しい光を当てるコレクションなのである。
「TYPE-Ⅰ MM Project」は、シャツ、ジャケット、パンツ、ドレスの全6型で展開、11月1日より販売中。美しい衣服のシリーズをぜひ手にとってみてほしい。