ベルギーの20歳の大学生が、調理してから5日経ったパスタを食べて死亡した……。そんな衝撃的なニュースが起きたのは、いまから15年も前のことだ。このニュースがいま再び、YouTubeやTikTokなどで話題になっている。
20歳の大学生を襲った悲劇
2008年、ブリュッセルに住むひとりの青年は、週末に1週間分の食事を準備することを習慣にしていたという。ある日曜日、いつもどおり1週間分の食事をつくり、食品容器に入れて保存した。そのうちのひとつが、パスタだった。
彼の運命の決定打となったのが、このパスタを冷蔵庫に入れなかったこと。キッチンのカウンターに置いたままにしていたのだ。
報告書によると、常温保存で5日も経ったパスタを食べてしまった彼は「いつもと味が違う」と感じたそうだが、パスタに新しいブランドのソースを使ったため料理に異変が起きていると思わず、そのまま食べ続けたという。翌日になると、吐き気、腹痛、頭痛に見舞われ、最後は下痢と嘔吐を繰り返すことになった。翌朝、起きてこないのを不信に思った両親が様子を見に行くと、ベッドの中で亡くなっている彼を見つけたのだった。
報告が相次ぐ「チャーハン症候群」
彼が食べたパスタの残りは食品感染研究所に送られ、解析された。その結果、大量のセレウス菌が検出されたそうだ。セレウス菌は有毒な毒素を排出する食中毒のもと。1970年代に、チャーハンを食べた人からこの菌がイギリスで発見され、その後も欧米各国で同様の事例が報告されている。チャーハンやパスタが原因となる事例が多く、通称「チャーハン症候群」と呼ばれているのだ。
この大学生は、解剖の結果、パスタを食べてから約10時間後に亡くなったと推定されている。解剖が行われたのが遅かったことから正確な死因は特定されなかったものの、肝臓の機能不全に陥っていた可能性があると報告されている。
再び注目を集めているのは、このニュースを取り上げるTikTokerが増えていることだ。280万回以上も再生されている投稿もある。パスタやチャーハンといった身近な料理が死に至らしめるという衝撃的な事実から、口コミで一気に広がったのだろう。「パスタが臭わなかったはずはない」「食中毒だなんて冗談じゃない!」「数時間たったものでも不安になる」などのコメントが寄せられている。
チャーハン症候群を防ぐためには
チャーハン症候群のような細菌の感染を防ぐためには、食べ物を室温で長時間放置しないことが大切だ。東京都保健医療局では、セレウス菌の感染予防について、米や麺類を大量に調理して作り置きしないことと、保存する場合は調理後に小分けして速やかに8℃以下に低温で保存することをすすめている。
セレウス菌は熱に強く、一度感染が広がった食品を再加熱しても、菌が死滅するわけではないことも要注意だ。
https://nypost.com/2023/09/12/fried-rice-syndrome-death-is-freaking-out-tiktok-form-of-natural-selection/
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/micro/bachiru.html
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