魔術やクリスタル、タロット占いなどの珍しいものが好きな人は、是非イギリスにある大学の新コースをチェックしていただきたい。英国・エクセター大学で、「魔術とオカルト科学」の修士号を目指す一風変わった専攻が追加された。
占いなど、魔術に対する関心の高まりが
2024年9月から開講するこの“目新しい”コースは、伝承、文学、占い、芸術における西洋のドラゴン研究、中世における女性の描写、サイケデリック哲学などが含まれる。また、宗教学などを駆使して、魔術が社会や科学にどのような影響を与えてきたか「社会と魔術の関係性」について探るという。大学のウェブサイトによると、魔術史の研究をこれほど幅広い他科目と組み合わせた大学院コースは、イギリスで初めてのものだといい、最近の“魔術に対する関心の高まり”を受けて創設されたと記載されている。この学部を率いるエミリー・セローブ教授は、ブログで次のように語っている。
「近頃、学会の内外で魔術やオカルトに対する関心が高まっており、それは現社会が抱える課題となっています」「脱植民地化、代替可能な認識論の探求、フェミニズム、反人種主義がこのプログラムの核心です」と続けた。
一方でセローブ教授は、ここ数十年の“現代人にとって魔術やオカルトの研究は重要ではない”という否定的傾向を覆す考え方を提示。人々が縁起が良いとされる宝石を身につけたり、試合の日にジンクスを避けるために髭を剃らないなど、今もなお存在する習慣を引き合いに出し、その考えを下記のようにThe Guardianに語った。
「私たち自身や周囲の人々の信念を見ても、魔術が私たちの日常生活の一部であることは明らかである。責任ある学者は、このことを真剣に受け止める必要がある」
この学部の需要性は?
この学部はすでに多くの関心を集めており、大学には100件以上の問い合わせがあったという。また、TheNewYorkTimesによると、魔法とスピリチュアリズムに関する文献を専門に扱うロンドンの書店「トレッドウェルズ」の創業者・クリスティーナ・オークリー・ハリントンさんは、知り合いの魔女の多くが、この学位プログラムへの入学を考えていると語っている。
「入学希望者は、魔法の杖を振って呪文を唱える方法を教えてくれると思っているようなバカではありません。彼らは、目に見える世界と見えない世界の捉え方について、強い好奇心を持っている人たちなのです」
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