イギリスの自動車レース場で、約35台の簡易仮設トイレが何者かによって盗まれるという事件が起こった。トイレはイベント用に貸し出されたもので、犯人は中身が満杯のものまで持ち去っていた。所有者は盗難届を出しており、警察が捜査に乗り出している。
所有者も唖然…回収に行ったらトイレが消えていた
仮設トイレがごっそり盗まれた場所は、イギリスのヘレフォードシャー州ペンコムにあるラドロー・オートグラス・クラブという自動車レース場。トイレを所有していたのは簡易トイレのレンタル会社で、経営者の息子が貸し出したトイレの回収に行った際に、盗難に気づいたという。
メトロ紙によれば、窃盗団はトイレにつけられていた南京錠を切るなどして、トイレを持ち去ったと見られている。いくつかのトイレのタンクは満杯だったにもかかわらず、中身をひっくり返した形跡もなかった。仮設トイレを移動させるのは簡単なことではないため、犯人は一つ一つ動かし、バンやトレーラーを使って数回に分けて運んで行ったのではないかということだ。
売り飛ばせば大儲け? 実は高額な仮設トイレ
今回の盗難で、レンタル会社がイベント用にストックしていたトイレの80%が盗まれてしまった。メトロ紙によれば、これらのトイレは昨年購入したもので、約4万ポンド(約727万円)の費用がかかったという。
BBCによれば、仮設トイレ1台を購入するには、約1000ポンド(約18万円)の費用が発生するという。さらに盗まれたトイレの中には身障者用のものもあり、こちらは1台1500ポンド(約27万円)。トイレ内部に設置されていた消毒用の備品も含めれば、大きな損害だ。来年のイベント用のトイレの予約はすでに入っており、会社のビジネスに大きな影響が出るのは必至だと、経営者のニール・グリフィスさんは話している。家族経営だけに、倒産の恐れもあるということだ。
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消えたトイレは今どこに? 警察も捜査中
盗難の届け出はすでに出されており、警察も動き出している。被害者のグリフィスさんは前例のない事件と憤るが、とにかくトイレを取り戻したいと話し、盗難の話題を広めて犯人が簡単に動けないようにしたいとしている。また、監視カメラやドライブレコーダーなどの映像をチェックして、不審な行動が記録されていれば、ぜひ警察に連絡してほしいと人々に協力を呼び掛けている。
ちなみに、一般的な日本の仮設トイレの高さは2.5メートル程度。重量も70~100キロ近くで、イギリスのものも類似の仕様だと思われる。メトロ紙は、犯行グループが盗んだトイレを保管するにはかなりの広いスペースが必要だとしており、捜査の手がかりになることが期待される。
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Thirty five portable toilets have been stolen from a racetrack.https://t.co/QayJL8ddJN
— BBC News Midlands (@bbcmtd) October 16, 2023
盗まれたトイレの画像。
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他社の仮設トイレの運搬の様子。通常はトレーラーで運ばれ、移動はかなり目立つ。