イギリス北部にあるビーチに、約1400人の裸の男女が一斉に極寒の海に飛び込んだ。その異様な光景に、SNSで「衝撃的すぎる」と、大きな話題を呼んでいる。
イベントが行われたのは9月24日早朝。イギリス北部・ ノーサンバーランド州にあるドルリッジ湾で行われたのは「ノースイースト・スキニー・ディップ(NESD)」と呼ばれる地域の毎年恒例行事だ。「秋分の日」を祝うイベントとして2012年から開催されており、冷たい早朝の海に何千人もの人々が裸で海にダイブするという、なんとも変わった行事である。今年で11回目を迎えるイベントに訪れた参加者たちは、老若男女を問わない幅色い年齢層。朝7時のビーチに集まった約1400人は、服を脱ぎ捨て、日の出と共に氷の海へ一斉に飛び込んだ。
彼らが撮影した動画には、全裸の参加者たちが手を繋いだり、スキップしながら海に向かって走り出す姿や、ダンスや楽しそうにお喋りをしたりと大はしゃぎする様子が捉えられていた。中には、かつらや、アニメの被り物、毛糸の帽子など、思い思いのコスチュームを身につけて挑む人の姿も。この様子にSNSでは、賛否両論のコメントがあがった。「参加したいかも」「面白そう」といった肯定的な声もある一方、「なんて馬鹿げたイベントなんだ」「衝撃すぎる」などの否定的な意見も集まっていた。
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ただの“面白いイベント”だけじゃない!
一見奇妙なこのイベント。実は地域に大きく貢献している。イベント参加費をメンタルヘルス慈善団体「Mind」に全額寄付しているのだ。2012年の開催以来、10万ポンド(約1,800万円)以上を集めた。主催者であるジャックス・ヒガーソンは、このイベントについて下記のようにコメントしている。
「NESDは、人生、自然、そして私たち一人ひとりのありのままの身体を祝福するものです。自らのコンフォートゾーンを超えて、”自由”を感じることができます」
「日の出とともに、ありのままの姿で海に、何百人もの人たちと一緒にワイルドに飛び込むこの体験以上に、秋/冬を迎えるのにふさわしい方法はありません」
また、ある男性イベント参加者はBBCの取材に対し、「私は辛い時期を過ごしていました。このイベントのことを知って、1人で参加しました。不思議なもので、裸で泳いだら”もう陰に隠れる必要はない”ということに気がつきました。本当に参加してよかったです」と回答。
同じくメンタルヘルスに悩まされていた女性は、この経験は本当に素晴らしかった、と語った。「今考えても、とても興奮します。走っている人、手をつないでいる人、笑っている人。泳いだ後、ビーチを散歩して...また来年も来ようと思いました」。
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