ヨーロッパの中でもワイン生産の長い歴史を誇り、一人当たりのワインの年間消費量が世界トップという世界屈指の「ワイン王国」ポルトガル。250種を超える土着品種から造られる、個性的なワインに世界中から注目が集まっている。そんな中、ある町でお酒好きにとっては夢のような、生産者にとっては悪夢な事件が起こった。
去る9月10日、ポルトガルの小さな町に大量の赤ワインが流れ出し、町一面を真っ赤に染めたのだ。事故が起きたのは、ポルトガルの首都・リスボンの海岸近くに位置する人口2000人ほどの町、サン・ロウレンコ・ド・バイロ(Sao Lorenco de Bairro)。原因は、町にある蒸留所「デスティラリア・レヴィラ(Destilaria Levira)」のワインタンク2つが破裂したことによるという。ニューヨーク・ポスト紙によると流れ出たワインは約200万リットル。約300万本分のワインボトルに相当し、オリンピックサイズのプールを満たすほどの量が村にあふれ出したと伝えている。
同ワイナリーの最高責任者であるペドロ・カルバーリョ氏は、当時の様子を「まるで川のようだった」とコメント。また、ワインタンクが破裂した詳しい原因はまだ特定されていないが、1つのタンクに何らかの欠陥があった可能性を指摘している。地元メディアによると、消防隊が周辺の川の汚染を避けるために流れの進路を変え、大量のワインは近くの畑に流されたいう。この事故での負傷者は、幸いにも報告されていない。
---fadeinPager---
お酒好きには天国?「ハッピーアワーだ」
ワイン洪水の様子を捉えた動画がSNSに投稿されると、X(Twitter)で400万回以上の再生回数を記録した。映像では、真っ赤な大量のワインが川のように坂の上から流れている様子が映し出されている。コメントには「グラスとストロー持ってすぐに行きたい」「私の楽園」「ハッピーアワー?」「ここで泳ぎたい」などとジョークを交えた声が多く集まった。ワイン好きにはたまらない、夢のようなハプニングなのだろう。
その後、同ワイナリーは公式Facebookを更新。「このような事態が発生したことを深くお詫び申し上げます」と謝罪し、損害賠償や清掃費用などを支払うことを明かした。
---fadeinPager---
---fadeinPager---