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スマホで自撮りをすると、毎回同じような写真になってしまうことも多い。しかし、小技をいくつか押さえておくだけで、プロ並みのショットに仕上げることが可能だ。
ここぞという場面で役立つ秘訣を、写真家でインフルエンサーのJD The Camera Guyさんが紹介している。自撮りを劇的に変えるコツをわかりやすくまとめた動画が人気となり、フォロワー数はInstagramで70万人、YouTubeで100万人超を誇る。数ある動画の中から、今回は3つのポイントを紹介したい。
1.難敵の窓を味方にしよう
まずは室内での自撮りにも、コツがあるようだ。JDさんは「こんな風にはしないで」と呼びかけ、よくある失敗例をはじめに紹介している。その失敗とは、窓を背景にして取るというもの。窓の外の景色と自分の顔を同時に収めたいと思うと、よく取ってしまいがちな構図だ。
致命的に悪いというわけではないが、明暗差の激しい構図となり、適切な露出と色味を出すことが難しくなってしまう。顔は逆光状態を無理に補正した不自然な明るさとなり、窓の外の景色は明るすぎて白飛びしてしまうことが多い。
窓は背景でなく光源と考える
このような場合、窓に対してスマホを構えることは避け、窓と平行に撮る構図がおすすめだという。
大きな窓が光源として機能し、やわらかに顔を照らすライトとなる。さきほどの逆光とは打って変わり、横から窓越しの光線を受けた顔は、彫りがくっきりと際立つドラマチックな印象となった。
この時、目線はカメラをまじまじと見ず、窓の外を眺めるようなポーズがおすすめとのことだ。身構えていない自然な印象となるほか、写真を見る人の視線も被写体の視線を追うように、わずかに写り込んだ窓の外へと誘導される。室内のショットでありながら、開放感を演出することが可能だ。
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2.顔しか写らないのはもったいない
続いては、カフェで使えるテクニックだ。スタバを訪れたJDさんだが、ここでも使える技があるのだという。例によって最初に提示される失敗例は、顔のすぐそばにスマホを構えて撮るというもの。顔しか写らず、せっかくのカフェの雰囲気が伝わらない。
そこで、窓際のカウンター席に腰掛けたJDさんは、同じカウンター上の1席分ほど離れた位置にスマホを立てかける。こうすることで、ドリンクのカップと店のロゴ看板、そしてノートパソコンを広げて作業するJDさん自身の姿がすべて収まり、場面がよく伝わるショットとなった。先ほどと同じく、サイドからの窓の光も効いている。
3.カメラを上下逆にして迫力のショットを
全身を収めたショットでも、ぜひ活用したい技がある。よくある失敗例は、友人に頼んで撮ってもらい、漫然と目の高さにスマホを構えてしまうパターンだ。全身を収めようとすると、レンズが自然とやや下を向くため、画面に地面が大きく写り込む。閉塞感が出るだけでなく、周囲の景色も捉えづらい。さらにレンズの遠近効果により、カメラに近い上半身が大きく、そして下半身が小さく写る。実際よりも脚が短い印象になってしまう。
そこでJDさんが提案するのが、スマホを地面ギリギリに据える方法だ。友人に頼んでも良いし、壁に立てかけて自撮りしても良い。このとき、スマホを上下逆にすることがポイントだという。レンズ部分が地面ギリギリに位置するため、芝生などを大きく取り込みつつ、よりダイナミックな構図を楽しめる。
完成した写真は、JDさんを見上げるような構図となった。頭上に広がるヤシの木と空がダイナミックな印象を与え、すらりと伸びる脚が印象的だ。こちらのテクニックは人間の腰より低い位置にカメラを構えることになるため、周囲の人物に配慮して行いたい。
構図だけでない、共通のコツとは
いずれの作例でもJDさんは、構図のほかにも共通したコツを使っている。最も重要なのは、積極的にセルフタイマーを活用することだ。JDさんは、スマホを手で持っての自撮りを極力避けている。いかにも独りで撮った印象になるためだ。スマホをテーブルや窓枠などに立てかけ、セルフタイマーを使って撮影するだけで、印象はぐんと様変わりする。
加えて、露出を下げる(意図的にやや暗めに撮影する)ことで、空の白飛びを抑えたシックな画作りにつながる。露出は好みによるため正解はないが、いろいろと探求してみるのもよいだろう。
iPhoneの場合、カメラ画面のなかで焦点を合わせたい箇所をタップし、続いて画面を上または下にスワイプすると、露出を調整するための太陽アイコンのスライダーが表示される。
また、ポートレートモードを活用するのも有効だという。iPhoneの対応機種では、シャッターボタン横の「ビデオ」「写真」などの選択メニューから「ポートレート」を選択すると、まるで一眼レフのように背景を擬似的にぼかしてくれる。
平凡な自撮りから抜けだそう
スマホでの自撮りは気軽に楽しめるが、意識しないと構図がワンパターンになりがちだ。平凡なセルフィーから脱却したいとき、JDさんの小技は強力なツールになってくれそうだ。旅先での大切な一枚だけでなく、何気ない日常の一コマも、一段と引き立つ写真になるかもしれない。
彼のInstagramアカウント「@jdthecameraguy」では、ほかにも多数のヒントを紹介している。ぜひフォローして、次の一枚のアイデアをひらめこう。
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窓を光源として活用すれば、ドラマチックな印象に。
スタバでの一枚も、さらに洗練されたショットにできるはず。
脚をすらりと見せたいのなら、スマホを上下逆にして。
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あえて遠くに立つのもテクニック。
風景は広角のバックカメラで広く取り込もう。