「大人の名品図鑑」インディ・ジョーンズ編 #6
考古学に関する豊富な知識をもち、悪党相手にヒーローごとく躍動するインディ・ジョーンズ。間違いなく名優ハリソン・フォードの代表作の一つだ。今年、待望の最新作が公開される。初代から新作まで、インディ・ジョーンズが身につけてきた数々の名品を探してみた。
今年6月に公開された最新作で復活を遂げたヒーロー、インディ・ジョーンズ。この作品で彼が身に着けていた腕時計が、ハミルトンの「ボルトン」というモデルだ。
この「ボルトン」は、1940年代に同ブランドが発表した「アメリカン クラシック」コレクションの中でも重要な時計の1つ。アラビア数字が付いたホワイトの文字盤にはクラシックなスモールセコンドが付き、全体をアール・デコ調にデザインしたハミルトンらしいクラシックな一本だ。
同ブランドのサイトをチェックすると、「ボルトン」と映画の関係を物語る特別なサイトが設けられ、そこには「ハミルトンは小道具を担当するチームと協力して、時代背景にぴったり合うような時計を揃えました」とこのモデルが選ばれた理由が書かれている。
最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の主な舞台は1969年。世界を股にかけて快刀乱麻の活躍をしたインディもすでに70歳。人類は月面着陸を果たし、秘宝を巡る彼の冒険も遠い過去のものとなった。そんな彼の元に旧友の娘ヘレナが訪ねてくる。彼女はインディが若かりし頃に出逢い、歴史を大きく変える力を持つと言われる“運命のダイヤル”を探していた。“運命のダイヤル”にはどんな秘密や力があるのか? その秘宝をめぐって、マッツ・ミケルセン演じる元ナチスの博士、ユルゲン・フォラーとインディは対峙することになる。
最新作のストーリーはこんな感じだが、年を重ねても冒険する時のインディのスタイルは不変だ。トレードマークのフェドーラ帽とカーキの上下の服に、レザージャケットを羽織り、武器として使うムチはいつもの腰の位置に。インディが愛用するアイテムはそれぞれが時を重ねても古びて見えない“ヴィンテージ”な雰囲気を持つものばかり。
「ボルトン」が発表されたのは1940年代だから、帽子やレザージャケットと同じく、30年近くもインディはこの時計を愛用していたことになる。実はこの時計は『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(89年)でショーン・コネリーが演じた父、ヘンリー・ジョーンズのものであることが映画の途中で明かされる。それを想定して40年代に生まれた「ボルトン」が選ばれたに違いない。
---fadeinPager---
アメリカで生まれた時計ブランド、ハミルトン
ハミルトンは1892年、アメリカのペンシルバニア州ランカスターで創業された老舗。1900年前後というと、アメリカでは鉄道輸送が全盛期を迎えた時代だ。鉄道に必要なのは、正確な時間を知ること。政府からの要望を受け、ハミルトンは精度が高い懐中時計を製作、「アメリカ鉄道のタイムキーパー」としてその名を全米に広げる。
その後も航空機のパイロットや軍用の時計を多数開発する一方で、57年には世界初の電池を動力とする「ベンチュラ」、70年には世界初の発光ダイオード(LED)式デジタルウォッチ「ハミルトン パルサー」など、時計史にその名を刻む革新的なモデルを発表し続けている。
現在では生産拠点をスイスに移し、生まれ育ったアメリカのカルチャーと、高い技術力を有するスイスのウォッチメイキングを融合させながら、独自の世界を切り開き、日本での人気も高い。
驚くことに今回紹介するハミルトンの「ボルトン」は、インディにとってはファーストウォッチ。それまでの4作品ではインディは腕時計を一本も身に着けていない。ネタバレになるのでこれ以上は詳しくは書かないが、最新作の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』では時計が物語の重要な役割となる。そんな作品でインディが初めて着用した「ボルトン」。映画とともに多くの人の記憶に残る一本になるだろう。
---fadeinPager---
---fadeinPager---
---fadeinPager---
ハミルトン スウォッチ グループ ジャパン
TEL:03-6254-7371
www.hamiltonwatch.com/ja-jp/
---fadeinPager---