7月20日、愛媛県今治市の和菓子店、今治 清光堂が、和菓子作家・坂本紫穗監修の新ブランド「ひる凪」のボックス3種のオンライン販売をスタート。昨年11月にブランドを立ち上げて以来、瞬く間に話題となり、今夏、従来の店頭販売に加え、自社のオンラインショップでも販売することとなった。
国内外でさまざまなワークショップや展示を手がける人気和菓子作家・坂本紫穗と新たなブランド「ひる凪」を立ち上げたのは、愛媛県今治市の老舗和菓子店、今治 清光堂の3代目、益田寛規。
伝統的な和菓子をつくる一方で、寛規の父でありグアム出身の二代目・ビル・リオングレローによる斬新なアイデアを取り入れた和菓子も人気だ。特に愛媛名産のミカンをまるごと求肥に包んだ「一福百果」は、現在Netflixで公開中の連続ドラマ「離婚しようよ」でもフィーチャー。知る人ぞ知る愛媛銘菓と言われている。
ブランド名の「ひる凪」は、清光堂の目の前に広がる志島ヶ原の美しい凪の様子から名付けた。愛媛の特産品を生かした自然派和菓子の数々は、素材選びから細部までストーリーが感じられる。
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坂本が今治の独特な青色の空や海、砂浜に感銘を受け、その景色を再現したいと提案して生まれた「透青」。もっちりとした食感で口当たりのよい葛羊羹は、梅の酸味がほんのり効いたさわやかな味だ。
愛媛県産のすじ青海苔と藻塩の風味を生かしたどらやき「月影」は絶品だ。口に入れた瞬間、ふわっと鼻に抜ける海苔の香りが新鮮。ちなみにすじ青海苔とは、海岸でつくることの多い海苔を陸地で清浄な海水で育てる、瀬戸内海に多く見られる手法でつくられた海苔のこと。雑味を抑えた繊細な香りが特徴だ。
また、藻塩のまろやかな塩味は口溶けのいい国産バターと濃厚なあんことマッチ。芳醇ながらさっぱりとした後味で、和菓子好きだけでなく洋菓子ファンにもお勧めだ。
しんしんと降る雪が梅の花に積もった時の様子と香りをイメージした「雪の下」。香り高い南高梅をまるごと求肥に包んで閉じ込めたという一品は、梅の程よい酸味と華やかな香りが印象的だ。ミルクあんを使用することで奥行きを感じさせる仕上がりに。
「ひる凪」は、今後さらにラインアップも増やして展開していく予定。見た目も味わいも愛媛にフォーカスしたメッセージ性のある和菓子は、どれも知れば知るほど奥深い。愛媛に縁のある人も、お菓子を純粋に楽しみたいという人も、現地の風景を思い浮かべながらじっくり味わってみてほしい。
問い合わせ先/ 今治 清光堂
imabari-seikodo.com