「自然の驚異!」オーストラリアに存在するピンクの湖、そのコントラストに息を呑む

  • 文:青葉やまと
Share:
iStock-177095113.jpeg
AlexKosev-istock

オーストラリアの各地に、ピンク色をした7つの天然の湖が点在する。鮮やかなピンクから真紅に近い色合いまで、場所や時間帯に応じてカラフルに変化。めずらしい光景を一目見ようと訪れる観光客たちの目を楽しませている。

なかでも特に有名なものとして、南西部エスペランスの街に近いヒラー湖がある。ミドル島と呼ばれる離島に位置し、島自体はその大部分が森林に覆われている。その森林と海水浴場のベリンダ・ビーチに挟まれるようにして、鮮烈なフラッシュピンクの水をたたえるヒラー湖が異彩を放つ。

深い緑に覆われた島に、透き通ったブルーの海岸、そして真っ白な砂で覆われたビーチ。こうしたコントラスト豊かな島の風景に、角度によってピンクからパープル、オレンジにまで変化する湖が、いっそうの彩りを添えている。

遊覧飛行で楽しむピンクの“足跡”

西オーストラリア州観光局によるとヒラー湖は、幅600メートルほどの「比較的小さな」湖だ。足跡のような印象的な形をしており、上空から楽しむための遊覧飛行も行われている。

こうしたピンクの湖は、自然が生み出した現象だ。しかし、あまりに鮮やかな色を放っていることから、人工的に着色されたと勘違いしたり、写真が編集されているのではないかと思わず疑ったりする人も多いようだ。

オーストラリア政府観光局はウェブサイトを通じ、「ピンク色をした湖の素晴らしさは、実際に目にしないと信じることができないかもしれません」と述べ、自然が生み出す神秘的な光景を強調している。

希少な景観はまるで芸術作品のよう

オーストラリアのカルチャー誌『ラッチ』は、「あまり知られていないが、オーストラリアには世界で最も多くのピンク色の湖がある」と紹介。6ヶ所のピンク・レイクを取り上げ、「まるで芸術家が描いたかのようだ」と幻想的な光景を称えている。

南東部では、メルボルンから車で4時間ほどの地点に位置する、ロッキエイ湖保護区が有名だ。別名をピンク・レイク保護区ともいい、希少な景観とハイキングコースを目当てに多くの人々が訪れる。

湖は濃い赤色から鮮明なピンク、そしてまぶしい白色へと色彩を変化させる。政府観光局によると、不思議なことに曇りの日の方がより鮮やかな色味を鑑賞できるのだという。

ほか、車窓の左にはブルーオーシャン・右にはピンクレイクが広がる南部のマクドネル湖や、タイミングに応じて明るいバブルガム・ピンクの光景が広がる西部のハット・ラグーン、広がる浅瀬で膝下までピンクの水に浸かっての散歩を楽しめるバンブンガ湖などがある。1ヶ所を訪れただけでは満足できず、多様な環境を見ようと各地を巡りたくなってしまいそうだ。

天然のピンクはバクテリアが生み出した?

特定の色に染まる理由は完全には解明されていないが、高い塩分濃度が寄与していると考えられている。科学ニュースサイトのネイチャー・ワールド・ニュースは、塩分濃度が極めて高い場所で繁殖するバロバクテリア(高度好塩菌)とドナリエラ・サリナ(微細藻の一種)の作用による現象だとする説を取り上げている。

この説によると、これらの生物が赤いカロテノイド色素を放出することで、湖水がピンクの色味を帯びるという。色の濃さは次期や気温、水位や雲の量によっても変化して見えることがある。なお、塩分濃度が高いため、水に浸かると死海のように身体が浮き上がる。非常に高い濃度となっているため、遊泳は控えた方が良いとの見解もあるようだ。

ピンク・レイクは人気のレジャー・スポットにもなっており、沿岸の散歩やハイキング、訪れる鳥や野生動物を観察するなどのアクティビティで賑わっている。

---fadeinPager---

---fadeinPager---

---fadeinPager---

---fadeinPager---

---fadeinPager---