1980年代に誕生し人気となった、模型メーカー、タミヤのRCバギー「ワイルドワン」が、イギリスの電動ミニチュアカー・メーカーからフルサイズで発売されることになった。子ども時代に遊んだラジコンを懐かしむ、大人の心をくすぐるニュースだが、欧州外での走行のハードルは高そうだ。
懐かしのラジコンがEV化 100台限定で販売開始
タミヤの「ワイルドワン」は、1985年に発売された1/10スケールの電動ラジコンバギーで、現在でも人気が高い。この懐かしのラジコンを、「ワイルドワン・マックス」として大人も乗れる実物大サイズにしたのが、イギリスのリトル・カー・カンパニー(LCC)だ。高級車メーカーと提携し、公式ライセンス製品として、ジュニアカー(実車の縮小版)を手作業で製造している。すでにブガッティ、フェラーリ、アストンマーティンのジュニアカーを製造しており、「ワイルドワン・マックス」の場合は、従来とは逆の拡大版ということになる。
LCCのホームページによれば、100台限定のローンチ・エディションは、全長約3.6mで、コックピットは2名乗車が可能な広さだ。8つの取り外し可能なバッテリーパックを搭載し、最高速度は時速約96.5km、航続距離はオンロードで約200kmと推定される。一般公開は、7月13日からイギリスで開催される、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで行われる。
おもちゃとしては、高すぎる… 性能はお値段以上?
大人の夢膨らむ本格的なおもちゃとも言える「ワイルドワン・マックス」だが、実はお値段のほうも本物クラスだ。自動車専門サイト、モーター・オーソリティによれば、ローンチ・エディションの価格は3万5000ポンド(約630万円)。注文の際は、払い戻しのない預かり保証金3500ポンド(約63万円)も必要となる。
自動車専門誌、カー・アンド・ドライブは、ローンチ・エディションには最初にLCCが提案したものから多くのアップグレードが施され、その分価格が上がってしまったと指摘している。LCCのCEOは、多くの人々の声に耳を傾け、アイデアを受け止めてきた結果、サイズ、操作性、パフォーマンスが飛躍的に向上したと説明。ぜひその魅力を体験してほしいと述べ、価格に見合う出来栄えであることを示唆している。
欧州では原付四輪扱い! 一般道ならドライブOK
イギリスと欧州においては、「ワイルドワン・マックス」は公道で運転可能だ。カー・アンド・ドライブによれば、購入時にフロントガラス、ミラー、ワイパー、泥除け、ライトなどが含まれるオプションのロードパックを選択することで、EUが定めた原付四輪(Quadricycle)のカテゴリーでの登録が可能なる。これにより、高速道路は不可だが、一般道を走ることができる。ちなみに欧州の一部の国では、14歳でも運転できることになるという。
「ワイルドワン」のファンはアメリカにも多いが、残念ながら連邦政府の基準を満たすことができないため、基本的に使用は認められないらしい。日本の公道で走れるかどうかは不明だ。
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フルサイズのワイルドワン・マックス。
大人も座れる余裕のコックピット。
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ブガッティとの提携で製作されたブガッティ・ベイビーⅡ。
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RT @RenaultZE: Some EU countries regulations allow quadricycle with limited speed (45km/h) from 14 years old #EVS28 pic.twitter.com/lhfX19e78l
— EValu8 TI (@EValu8TI) May 5, 2015
14歳でも制限速度45kmで乗れる欧州の原付四輪に分類されるマイクロカー