ローグ/ローリングサンダー・インペリアルスタウト
公私ともにビール漬けの毎日を送っているという、日本初のクラフトビール専門店「麦酒倶楽部ポパイ」の2代目代表の城戸弘隆さん。
聞けば、22歳で同店に入社して以来、奥が深いクラフトビールの魅力に開眼。業界の先駆者としても有名な、初代の青木辰男さんから後継者を任されるほど造詣を深め、いまや自社銘柄の「両国ブルワリー」で自らビール醸造も手がけている。仕事でもプライベートでもビールを愛飲する、根っからのビール党だと教えてくれた。
「テイスティングのつもりで他の酒を飲むことはありますが、普段はほとんどビールのみ。他にもおいしい酒がたくさんあるのはわかっているのですが、自分が心の底から美味いと感じて飲める唯一の酒がビールで……。寝ても覚めてもビールのことばかりです(笑)」
そう笑う城戸さんが、プライベートで買う自腹酒(じばらざけ)はもちろんビール。自社の「両国ブルワリー」を推薦しつつも、「自分のブルワリーも含め日本のヴィンテージビールではこのクオリティを超えるものはまだない」と太鼓判を押すのが、アメリカの「ローリングサンダー・インペリアルスタウト」である。
「とっておきの機会に飲みたい、自腹で買う価値があるビールです。カカオのような香りの長い余韻や、きれいな後味はため息ものです」
そして、城戸さんお気に入りのおともは、なんと意外にもビールの香ばしさと相性がいいというバニラアイスクリーム。別々に合わせてもいいが、エスプレッソをかけて食べるアフォガードのように味わうのもお薦めだ。
「口の中が最高に幸せになる相性で、酒の素材のよさも際立ちます。ちょっと嫉妬するくらい、とにかくこのビールは質が高いんです」
城戸さんは悔しさをにじませつつも、ビールを見る眼差しは、どこまでも優しかった。
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アイスクリームはなんでもいいらしいが、城戸さんのお薦めは上質な甘さが特徴のハーゲンダッツのバニラアイス。ビールにアイスをのせ、ビールフロートにしても美味しい。
城戸弘隆
1985年創業の「麦酒倶楽部ポパイ」に2003年に入社。店長を経て16年に代表に就任。自社ビールの醸造所「両国ブルワリー」の代表も務める。
麦酒倶楽部ポパイ
住所:東京都墨田区両国2-18-7ハイツ両国駅前102
TEL:03-3633-2120
※この記事はPen 2023年8月号より再編集した記事です。