米セグウェイは5月、オーストラリアで新製品発表会を開催し、多数の製品群を披露した。セグウェイといえば左右の大きな2輪でバランスを取りながら走行する、立ち乗り式のeスクーター(電動スクーター)が有名だ。しかし同社はこれ以外にも、多くの次世代モビリティをリリースしている。
発表会では、eスクーターやeキックボードなど9種類の豊富なラインナップが勢揃いした。なかでもひときわ注目を集めたのが、ランボルギーニ型ゴーカート製品「Gokart」だ。
これまでにも世界の一部地域で販売されてきたが、今回オーストラリアで新たに販売が始まった。現地の記者が興奮の試乗レポートを公開している。
大人の豪記者が「もう夢中!」
オーストラリアのnews.com.auでは、テックレビュワーのエリー・オーサム氏が実際に本製品に試乗。彼女は「これまで試した中で最高の製品のひとつ」だと感想を綴っている。
ビーチサイドの公園という絶好のロケーションにある試乗会場で、同記者は路上や芝生の上を思いのままに駆け巡った。公開されている動画(https://www.tiktok.com/@ellyawesometech/video/7232080301256723713)には、満面の笑顔で「これはすごい」「もう夢中」と語る様子が収められている。「マリオカートの妄想が現実になった」と記者は笑い、子供時代に戻った気分を楽しんだようだ。
最大速度の6割程度にすぎない25km/hで走行したというが、それでも「信じられないほど速く感じた」と驚いたようだ。遊園地などにあるゴーカートと同様、視線の高さが地面に非常に近いため、実際の速度よりもかなり速く感じるのだろう。
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最大40km/hの本格スペック
対象のGokartはジャッロカラー(イエローカラー)のボディとなっており、小型ながらランボルギーニらしさ満点だ。
立ち乗り型セグウェイとは異なる4輪式の安定した形状となっており、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルが備わる。まるで子どものおもちゃのような可愛らしいルックスに反し、最高速度は40km/hと本格的だ。
さすがに並外れたパフォーマンスを誇る本家には及ばないものの、搭載のスピーカーが迫力のエンジンサウンドを奏でる。車載スピーカーから疑似的なエンジンサウンドを演出する手法は、近年一般のクルマでも増えている。ある意味ではこうしたギミックも、本物のクルマらしいと言えるかもしれない。
クレイジーで楽しい時間
オーサム記者は、ちょっとした距離の通勤用途など実用性を重視するならば、eスクーター式のセグウェイ製品に軍配が上がると認めている。
しかし、「ただただクレイジーで楽しい時間を過ごしたいのであれば、すべての考慮事項を窓から投げ捨て、セグウェイ・ナインボットのGokartを購入すればいいのです」と大胆な提案をしており、本製品をいたく気に入った様子だ。
問題は3999豪ドル(約36万円)という価格だという記者だが、ほかのシリーズの含め「購入を考えるかも」「セグウェイ・ナインボットたちが私の銀行口座にダメージを与える日もそう遠くない気がする」と締めている。
既存のセグウェイからアップグレードも可能
テックメディアのギズモードオーストラリア版によると、航続距離は25kmとなっている。最大15%の傾斜に対応し、ドライバーの重量は80〜100kgまで乗車可能となっている。
推進力として後輪に、立ち乗り式セグウェイ「ナインボット S-PRO」のパーツを採用する。S-PROをすでに所有しているユーザーであれば、アップグレード用のキットを購入することで4輪のGokartへの変更が可能だ。
日本では、ランボルギーニ型ではない通常モデルのGokart Proが約30万円ほどで販売されているが、現在のところ入荷待ちとなっているようだ。なお、公道は走行不可となっている。
セグウェイは2015年に中国シャオミが出資するナインボット社に買収されて以降、ナインボット・セグウェイのブランドとして多くのEVモビリティをリリースしてきた。立ち乗り型のセグウェイこそ未だ本格的な普及に至っていないが、子ども心をくすぐる製品群で世界のユーザーを魅了し続けているようだ。
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@ellyawesometech I got to try every new model of e-scooter from Segway-Ninebot! Including their Lamborghini electric Go Kart!! #tech #techtok #segway #escooter @Segway-Ninebot Australia ♬ original sound - Elly Awesome