イタリアのローマにある世界遺産、コロッセオの壁に観光客が落書きしたことが、文化観光大臣も激怒する大事件となっている。落書きをした人物は特定され、有罪となれば高額の罰金または懲役刑が科せられるという。こういった行為は各地で繰り返し起きており、ソーシャルメディアで発覚・拡散するケースが増えている。
利己的な観光の記念?歴史を台無しにするあきれた行為
コロッセオは約2000年前に造られた円形闘技場で、ローマを代表する観光スポットだ。ユネスコの世界遺産にも登録されているこの歴史的建造物の内壁に、自分とガールフレンドの名前を刻み付ける若い男の姿を他の観光客が撮影。これがソーシャルメディアに投稿され、多くの人々の目に触れることとなった。
落書きに対し、イタリアの国内外から怒りの声が広がり、瞬く間にニュースとなった。ロイターによれば、警察は、犯人はイギリスから来たカップルだと特定。正式に捜査が始まったが、カップルは当局が追いつく前に出国してしまったという。イタリアで有罪となれば、落書きをした男性は、少なくとも1万5000ユーロ(約237万円)の罰金と5年以下の懲役刑を科せられる可能性がある。
誘惑にかられるのか? なくならない世界遺産への落書き
観光客による世界遺産での落書きは、これまでもたびたび報じられている。実はコロッセオでは、2014年にロシア人観光客による落書き事件が起きており、2万ユーロ(約315万円)の罰金が科せられた。
米公共ラジオ網NPRによれば、2019年に10代の中国人がエジプトのルクソール神殿にある石のレリーフに名前を刻み中国のソーシャルメディア、微博に投稿。ネット上で大騒ぎとなり、彼の両親がエジプト当局に謝罪することになった。
他にも、グアテマラのティカルの遺跡にある1300年前の神殿のピラミッド、中国の万里の長城、ベトナムのホイアンの黄色い壁など、数々の世界遺産が落書き被害にあっている。
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安易な投稿から発覚 ソーシャルメディアは要注意
注目されるのは世界遺産だけではない。アメリカではあるツイッターユーザーが5月に投稿した、ユタ州南部の連邦政府管理下の土地の巨岩の上に彫られた「Finn fam 2023(フィン一家 2023)」という落書きが、批判の的となった。「景観を破壊する」「これが許されればさらにやる人が出る」などのコメントが集まり、別のソーシャルメディアにも批判の波は広がっていった。
投稿の拡散力に驚いたのか、家族のうちの1人の女性が地元当局に連絡し、罰金を払うことに同意したという。地元のソルトレイク・トリビューン紙によれば、一家は毎年開催されるSUVのイベントでユタを訪問。落書きしたのは子供で、写真はフェイスブックの非公開グループに投稿したものだった。否定的な反応を見た後に写真を削除したが、グループのメンバーがスクリーンショットを撮影し、他の場所で共有したようだという。
女性は、まさかこんな大事に至るとは思わなかったと謝罪している。ソーシャルメディア時代、旅の思い出を残すための軽率な行動が、「ごめんなさい」で済まなくなることも肝に銘じておきたい。
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A hunt is on for an unidentified man who scribbled graffiti on a wall of the Colosseum https://t.co/SvYHEe32Ni pic.twitter.com/6mDblVHEsX
— Reuters (@Reuters) June 28, 2023
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Parents Of Teen Who Defaced Egyptian Artifact Apologize https://t.co/3a6BjT62O3 pic.twitter.com/0XanEwz95S
— тн℮ ¢υґї◎υѕ ¢@т (@lecurieuxchat) May 24, 2015
中国人少年のルクソールのいたずら書き
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グアテマラのティカルの遺跡
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ベトナム、ホイアンの黄色い壁
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The Finn Family sucks pic.twitter.com/XV1bP7uPla
— Marie Rodriguez (@Utah_Sailor) May 8, 2023
フィン一家が残した落書き