「大人の名品図鑑」インディ・ジョーンズ編 #2
考古学に関する豊富な知識をもち、悪党相手にヒーローごとく躍動するインディ・ジョーンズ。間違いなく名優ハリソン・フォードの代表作の一つだ。今年、待望の最新作が公開される。初代から新作まで、インディ・ジョーンズが身につけてきた数々の名品を探してみた。
インディ・ジョーンズのスタイルを真似るのはそう難しいことではない。ブラウンの使い込んだレザージャケットに同系色のフェドーラ帽を被れば、いかにもインディ・ジョーンズ風に見える。その時、ぜひとも加えていただきたいのが、インディ風のインナーだ。インディはいつもカーキのサファリシャツと同系色のパンツを合わせている。
今回取り上げる名品は、インディがいつも着ていたサファリシャツ。色が前述のようにカーキ色で、両胸にフラップ付きのポケットがあり、肩には「エポーレット」と呼ばれる肩章が付く。これは肩から銃や双眼鏡を下げるための留め具として考案されたもので、トレンチコートなどによく使われるディテールだ。
インディが着たサファリシャツがよく見えるのが2作目の『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(84年)だろう。冒頭の舞台は上海で、インディがジェームズ・ボンドのように白いタキシードを着て華麗な装いで登場する。しかしそれ以降の舞台になるのがインドで、邪教集団に奪われた「サンカラ・ストーン」とたくさんの子どもたちをインディたち3人が救出するというストーリー。インドという場所柄からか、インディはレザージャケットを脱ぎ去って、ほとんどがシャツだけのスタイル。敵と格闘してシャツの片袖が肩からもげてしまうシーンまである。
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インディの世界観とシンクロする、バナナ・リパブリック
そんな場面を連想させるカーキのシャツとして紹介するのが、バナナ・リパブリックの製品だ。インディが着ていたシャツにそっくりというわけではないが、実はバナナ・リパブリックというブランドがもつ世界観が「インディ・ジョーンズシリーズ」に近いものがあるので、あえてこのブランドのシャツを選んだのだ。
バナナ・リパブリックはいまでこそモダンなシティウェアをデザインし、アメリカだけでなく日本でも人気が高いブランドだが、1978年の創業時はサファリを中心にした品揃えが特徴のブランドだった。このブランドを始めたのは、メル・ジーグラーとパトリシア・ジーグラー夫妻の2人。旅をこよなく愛した2人はオリジナルで旅用のウェアや小物などと共に、旅先で入手したサープラス品などを店頭に並べた店を開き、注目を集めた。80年代後半からはモダンなスタイルがコレクションの主流を占めるようになるが、最近、ハンティングなどのクラシックなイラストがプリントされたTシャツなど、ブランドの遺産ともいうべきサファリを連想するアイテムが続々と復活している。
「エクスペディション シャツ」と名付けられたこのシャツも間違いなくそのひとつ。両胸に付いたフラップ付きのポケットに、リネンとコットンを混紡したハリのある素材。ステッチなどもいかにもヘビーデューティーな仕様で、インディが愛用していたサファリシャツを彷彿とさせる。
さらにもう一つ紹介するのが、ビームス プラスがウィリス&ガイガーに別注したサファリシャツ。素材にブッシュポプリンを採用し、エポーレットやガンパッチなど、サファリシャツに求められるディテールを満載、さらにはアメリカでつくらせたというまさに逸品だ。インディスタイルに憧れる方は、この2枚のシャツを見逃してはいけない。
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