ドイツの名門時計、A.ランゲ&ゾーネから注目の新作2モデルが発表された。ひとつはプラチナ製ケースにロディウムカラーダイヤルで登場した「ランゲ1・タイムゾーン」。もうひとつはホワイトゴールド製ケースにピンクゴールド製ダイヤルを合わせた「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」。圧倒的な技術の高さと伝統的な仕上げの美しさで時計愛好家を唸らせる名品に、新たなカラーコーディネーションのスタイルが加わった。
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プラチナを纏い、端正な美しさを誇る「ランゲ1・タイムゾーン」
A.ランゲ&ゾーネの「ランゲ1・タイムゾーン」は、GMT機能を備えた機械式高級腕時計の中でも特に個性的な逸品だ。独創的な「ランゲ1」の文字盤デザインを活かしつつ、24の時間帯に対応する都市を選べる複雑機構は、他に例を見ない。A.ランゲ&ゾーネは2005年に、その初代モデルを発表し、時計界で大きな注目を集めた。
第2世代が誕生したのは2020年のことだ。この時に採用された自社製ムーブメント「キャリバーL141.1」には、サマータイムを直感的に伝える、画期的な機能が備えられている。第2時間帯として表示できる24都市のうち、サマータイムを採用している都市が選択されている場合には、その地名を指す三角形のインデックスに赤いマーカーが表れるのである。サマータイム不採用の都市・国の場合には、赤色は登場しない。この秀逸なサマータイムマーカーを備えた「ランゲ1・タイムゾーン」第2世代に今回加わったのが、プラチナケースとロジウムカラー文字盤の新作である。
既存のホワイトゴールドモデルがブラックダイヤルなのに対して、今回採用されたロジウムカラーはニューモデルであることを一目瞭然にさせると同時に、外観上の洗練された雰囲気を強めている。抑えたトーンによりホームタイム、セカンドタイムゾーン、アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示に24都市リングを配置した巧みなレイアウトの魅力は、より際立って映る。
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時に、そこにサマータイムマーカーがレッドのアクセントを添える。セカンドタイムゾーンは8時位置にあるボタンを押すことにより24都市リングが回転し、時間帯を切り替えていくのだが、サマータイム採用都市の場合には三角インデックスの中がレッドに変わる。そしてホームタイムかセカンドタイムが夜間の場合には、色で示されるデイ・ナイト表示が現れる。午後6時~午前6時のナイトタイムには、青い半円弧がそれを知らせるのである。
操作性も極めて高い。ふたつのタイムゾーンは、リューズのポジションを選ぶことで同期させながら、同時に調整・時刻合わせを行うことができる。一方で同期させることなくメイン時刻を単独で新たに設定することも可能だ。メインタイムと連動しているアウトサイズデイトの修正は10時位置にあるプッシュボタンで行える。複雑なメカニズムの一方、ユーザーフレンドリーな使い勝手に、ブランドの誠実さが垣間見られる。
優秀にして上品。白色金属の特色を最大限に引き出したプラチナケースと同系色ダイヤルの組み合わせは、「ランゲ1・タイムゾーン」のラインアップを完成させる最後の一筆だ。既存のピンクゴールド・ホワイトゴールド版とは、ひと味異なる味わいで魅せる。
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クラシックな装いとは裏腹に、驚愕の機能を搭載した「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」
18Kピンクゴールド製ダイヤルは、A.ランゲ&ゾーネにとって「逸品の記号」とでも言えるものだ。過去には「ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン」(2019年)と「ランゲ1・パーペチュアルカレンダー」(2021年)にのみ採用されており、今回の新作でやっと3番目。A.ランゲ&ゾーネのなかでも、ピンクゴールド製ダイヤルは極めて稀な存在なのである。それが「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」の特別さを雄弁に物語る。
最初に「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」が姿を現したのは、2013年のことだ。グラスヒュッテの自社工房で開発・製作したムーブメントは、ブランド8番目のクロノグラフ・キャリバーに当たる。しかもそれだけではなくラップタイム計測、タイムの比較、60秒以内の中間タイム計測が可能な“ラトラパント”であり、しかも閏年まで機械的に把握して表示する永久カレンダーなのである。
グレゴリオ暦の規則の例外である次の「100で割り切れて400で割り切れない年」=2100年の3月1日まで、カレンダー表示の修正は不要である。また高精度のムーンフェイズ表示が1日分の誤差を生じて修正の必要が生まれるのは、122.6年後のことである。
複雑さを三重に重ねた機能を、しかも「1815」のノーブルなスタイルに収めることに成功した。天地左右4つのサブダイヤルを、12時位置ではクロノグラフの30分積算計とパワーリザーブ ・インジケーター、3時位置で月と4年間の閏年サイクル表示、6時位置はスモールセコンドとムーンフェイズ、9時位置は日付と曜日表示にと割り振った。
さらに2本のスプリットセコンド・クロノグラフ秒針を配し、外周には1/6秒単位での計測を想定した目盛りを刻む、レイルウェイ型のミニッツトラックを敷く。アラビア数字のアワーマーカーと5刻みのミニッツ/秒表示までを網羅し、それでもピンクゴールドの文字盤は、いささかもノーブルさを失わず、むしろ精緻さを誇らしげに見せる。
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複雑さを極めたムーブメントの眺めは圧巻で、それをサファイアクリスタル製のシースルーケースバックから楽しめるのも、この時計の大きな魅力だ。伝統的な機械式複雑時計のメカニズムは、ふたつのコラムホイールの作動を含む可動部分の息遣いから伝わってくる。
そうした動的な眺めの一方で、A.ランゲ&ゾーネらしい“静的”な魅力である、仕上げの美しさも極上だ。あらゆる可動部品の上面には仕上げ加工が施されており、一部の隙もない。周辺部の面取りの完璧に磨き上げられたポリッシュ仕上げは、クラフツマンシップに裏打ちされた、熟練した職人の技だ。
とびきりの複雑時計が、端正なホワイトゴールド製ケースと、温かみのあるピンクのカラートーンで装うのは、異次元のエレガンスだ。技術的達成でどこに出しても人の賞賛を呼ばずには置かない時計は、貫かれた美意識でも、人を惹きつけずにはおかないのである。
問い合わせ先/A.ランゲ&ゾーネ TEL:0120-23-1845
https://www.alange-soehne.com