1.HUBLOT(ウブロ)
クラシック・フュージョン オリジナル イエローゴールド
ウブロの出発点である「クラシック」のファーストモデルは1980年に登場し、スポーティなゴールド製ケースにラバーストラップという大胆な組み合わせでセンセーショナルな話題を巻き起こした。その意志を継ぐ「クラシック・フュージョン」の最新モデルは、原点に立ち返るイエローゴールドで登場。まさにスポーツシックを体現する一本と言えるだろう。
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2.OMEGA(オメガ)
コンステレーション
コレクション名の由来である「星」やオメガのロゴ、時分針・秒針、ファセット加工のインデックスはいずれも18KYG製。象徴的な爪のデザインをゴールドで組み込んだブラックセラミック製ベゼルには、セラミックと18金をなめらかに一体化する世界初の技術「セラゴールド」でローマ数字を配した。マスター クロノメーター認定の超高耐磁性ムーブメントを搭載。
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3.TAG HEUER(タグ・ホイヤー)
タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ
ブラックのサンレイダイヤルに、アワーマーカーや針、クロノグラフカウンターまでもイエローゴールドプレートで仕上げた。クラシックなツーレジスター・クロノグラフを高級感漂うバイカラーで魅せる手腕は、モータースポーツを牽引してきたタグ・ホイヤーならでは。高性能な自社製ムーブメント「キャリバー ホイヤー02」搭載も見逃せない。
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イエローゴールドの人気が目覚ましい。一時期のローズゴールドやピンクゴールド人気が一段落した後の、原点回帰。やはりゴールドは元来あるべきの“黄金”ということなのか。そもそも18金は、純金そのままではやわらかすぎるので、純金75%に別の金属を混ぜてつくる合金だ。銀と銅を加えるイエローゴールドは、本来の純金色を尊重した色と言えるだろう。
イエローゴールドの世界的なトレンドが続く中でひと際目を惹くのが、ブラックダイヤルとの組み合わせである。ゴールドの主張の強さを上品に緩和するセットアップは、腕時計が持ち得た永遠のベストセラーだ。伝統的にフォーマルのコードであるブラックと、ステイタスの象徴であるゴールド。力強さや威厳をにじませながらも、エレガントで、これみよがしないやらしさも感じさせない。
黄色は、かつて中国では皇帝の権威を示すインペリアルカラーであった時代が長い。時は流れ1980年代、創業初期のウブロが示したのが、イエローゴールドのケースに黒文字盤とブラックラバーストラップという“新しい時代のラグジュアリー”であった。それは多くのセレブを魅了し、「王の時計」の異名をとったほどだ。
黒と黄の組み合わせは、自然界においてもスズメバチやトラ、人工物では踏切に使われるほどで、注意を引く“警戒色”でもある。その視覚効果が眩い光を放つ金属に置き換えられ、ラグジュアリーに昇華する。「品よく目立つ」というスマートなふるまいを叶える絶好の腕時計なのである。
並木浩一
1961年、神奈川県生まれ。時計ジャーナリスト。雑誌編集長など歴任し、2012年より桐蔭横浜大学の教授に。新著に『ロレックスが買えない。』。
※この記事はPen 2023年7月号より再編集した記事です。