昨年に創業190周年を迎えたスイスの名門時計ブランド、ロンジン。時計史に刻まれてきたその偉業は、いまも脈々と受け継がれている。
ロンジンの腕時計が内に宿す「歴史の正統性」は、筆舌に尽くしがたい魅力を放つ。復刻でもリデザインでもない新作がロングセラーのような風格を纏うのは、ロンジンならではの特徴である。時計づくりにおいて長年培ってきた技術と哲学、そして情熱を惜しみなく注いだ創業190周年記念モデルは、その好例と言えるだろう。
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ロンジンの創業は1832年。スイス・サンティミエを拠点に、67年には自社工場を建設。時計職人をひとつ屋根の下に集め、高品質な生産体制を確立してきた。同時に、時計史に燦然と刻まれる革新的な技術を次々と発明し、数多の偉業を成してきた。
そのひとつに、パイロットウォッチのつくり手としての名声が挙げられる。世界初のノンストップ太平洋横断飛行に成功したミス・ビードル号には、ロンジン製の計器が装備されていた。パイロットウォッチの華ともいえる機構がフライバック・クロノグラフだが、初めて特許を取得したのはロンジンだ。
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計測のリセットとリスタートを同時に叶えるこの機構は、1935年に申請、翌36年に承認された。タイムゾーンを超えるフライトに欠かせないGMT機能も、ロンジンは1908年にポケットウォッチで開発に成功し、25年には腕時計に搭載した。ともに航空黎明期を支えた革新的な技術だ。
時計史を彩る数々のマイルストーンを、誰かの真似ではなく、自らの歴史の中にルーツをもつ。ロンジンにとって、ヘリテージはデザインのエッセンスではない。それはロンジンが果たしてきた、誰も代わることができない役割の記憶なのである。
問い合わせ先/ロンジン TEL:03-6254-7350
www.longines.jp