アメリカのラスベガスで、自宅の裏庭に何かが墜落し、3m以上の生き物がこちらを見ている……と男性から通報が入ったことが、最近明らかになった。一連の出来事が起きたのは、4月30日深夜から5月1日未明にかけてだが、6月上旬になってアメリカの報道機関がこぞって報じ始め、話題となっている。
4月30日の午後11時50分ごろ、流れ落ちていく巨大な火の玉のような緑色の光が、たまたま路上にいた警察官のボディカメラに映った。アメリカ流星協会によるとこの日、カリフォルニア州東部やネバダ州、ユタ州一帯で、流星の報告が相次いだという。
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3mの生き物が2体、こちらを見ている…
警官のボディカメラに光りが映り込んでから40分ほどした後、ある男性から「自宅の裏庭に何かが落ちてきた」と、緊急電話911に通報が入った。裏庭に、身長2m半から3mくらいで大きい目をした何者かが2体おり、こちらを見ている、との内容だ。通報した当時の音声も公開されているが、男性は「冗談じゃないって神に誓って言える」「100%、人間じゃない」と話している。
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「陰謀論でも作り話でもない」
ニューヨーク・ポストによると、この男性の名前はエンジェル・ゴメス氏だ。地元テレビ局KLASのニュース番組「8ニュース」などによると、ゴメス氏はこの時、父親と兄弟とともに庭に駐車してある車で作業していた。すると光る何かが落ちるような音がし、衝撃波のようなものを感じたという。視界がぼやけてよく見えなくなったが、その後、庭を見てみると大きな「存在」が2体いたため、911に通報したという。
結局、警察官がゴメス家の自宅まで駆けつけたが、謎の生き物の姿はすでになかった。ラスベガス警察は翌日に、改めて聞き取りのためにこの家族を訪れたが、その後、捜査は打ち切られている。
5月23日、ラスベガスの調査ジャーナリスト、ダグ・ポッパ氏がポッドキャストで「特ダネ」として詳細を報じたが、この時点ではまだ大きく話題になることはなかった。その後、6月上旬から報道機関で取り上げられるようになると、ゴメス氏の主張を検証するSNSユーザーが表れ、「事実と違う」としてゴメス氏が叩かれるようになったという。
そこでゴメス氏は6月8日、「エイリアン・ソサエティ51」というYouTubeチャンネルを開設。当時の様子を説明する動画を1本だけ公開した。5月1日の出来事があまりにも拡散されたので、実際に何が起きたかを説明したかった、と述べている。
動画の冒頭でゴメス氏は、「陰謀論でも、有名になりたいから作り話をしているわけでもない」と説明。さらに、自分が見たのは「灰色のような緑色のような色で、その物体の目を見た時に、僕は身動きが取れなくなった。不思議な形の足をしていて、顔と目が大きくて、口も大きかった」と話している。
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地元TV局が通報者の主張を検証
ただし8ニュースは6月16日付の番組で、ゴメス氏が動画の中で主張している一部の話については、SNSユーザーによる検証などを根拠に、否定している。
たとえば通報を受けてかけつけた警察官が、庭の地面に円状の跡が残っていることに気づいたとゴメス氏は話している(宇宙船が着陸した痕跡ではないかとの示唆)。ところが8ニュースによると、この跡は2022年に撮影された画像を使っているグーグル・アースでも確認できることが、SNSで指摘されている。
また、「エイリアン・ソサエティ51」の動画の中でゴメス氏は、UFO騒ぎがあった日の夜に、近所の家の玄関の防犯カメラで撮られたものとして、夜間に何かが大きな音を立てて墜落するような映像を公開している。8ニュースはこれについても、実際にこの映像の持ち主と思われる人物に詳細を聞いたところ、撮影された日付は4月中旬であり、UFO騒ぎがあった2週間ほど前だったとしている。
ゴメス家の自宅外には、5月中旬から10日間ほど、ラスベガス警察による監視カメラが設置されていた。8ニュースが同警察に問い合わせたところ、通報以来、家族が自宅庭から音がするといって不安がっていたため、UFO愛好家などが敷地内に入ったり嫌がらせしたりした場合に備え、家族の安全のためにカメラを設置したと説明したという。
8ニュースによると、警察はゴメス家の話には信憑性があり、いたずらではないと考えているという。ネバダ州では、いたずら目的での911への電話は重罪であり、1~4年の禁錮刑となる可能性もある。
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「政府はUFO回収プログラムを行っている」
ポッパ氏もまた、6月15日に有料テレビ・ネットワーク、ニュース・ネイションの番組に出演した際、ゴメス氏や家族の話には一貫性があり信憑性があると述べている。ただし、ラスベガス警察が設置したという監視カメラについては、設置のタイミングが、この出来事が話題になる前だったとして、「UFO愛好家などからの嫌がらせ」という理由には無理があると指摘している。ポッパ氏は引き続き調査する意向だ。
なお、今回の騒ぎと時期をほぼ同じくして、元空軍将校であり諜報機関の職員でもあったデイビッド・グラッシュ氏は、アメリカ議会の「内部告発プログラム」を活用し、「政府はUFO回収プログラムを行っている」と議会に告発している。ニュース・ネイションの番組に出演してインタビューに答え、「地上に着陸あるいは墜落した、人間が作ったものではない技術的な乗り物、言わば宇宙船が複数存在する」とし、政府が回収する際に「死亡した(宇宙人)パイロット」にも遭遇することがあると主張した。
グラッシュ氏はさらに、この回収プログラムは連邦議会にも伏せられており、アメリカ国民は数十年にわたり、政府に嘘をつかれていると述べている。
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