アメリカ南東部に位置するサウスカロライナ州の橋のたもとで謎の生物が撮影され、まるで水中で羽ばたくようなその姿の正体が分からず、専門家も首をひねっている。
---fadeinPager---
視聴者からの謎の生物動画
ノースカロライナ州にあるNBC系列のローカルテレビ局WCNCシャーロットに、謎の物体を撮影したとして、視聴者からある動画が送られてきた。5月最後の週末に、サウスカロライナ州ポーリーズ・アイランド近くにある橋のたもとで撮影されたもので、水の中で黒っぽい物体が泳いでいる。
WCNCシャーロットの姉妹局であるWLTXがニュース番組News 19で取り上げたところ、YouTubeのコメント欄には、「フロリダで1度見たことある。アメフラシって呼ばれてたけど」「シビレエイかも」「アカエイみたいだね」「イカに見えるけど」など、さまざまな意見が寄せられた。
---fadeinPager---
専門家も首をひねる生物の正体は
一方でWCNCシャーロットは、サウスカロライナの自然資源局に問い合わせてみたが、正体は判明しなかった。自然資源局の職員の1人はイカではないかと思ったが、専門家に聞いた方がいいということで、同じく地元の海洋資源研究所に問い合わせたという。しかしそこでも、やはりこの生物が何かは分からなかった。
WCNCシャーロットが自局の主席気象学者、ブラッド・パノヴィッチ氏に動画を見せたところ、ようやく判明したようだ。番組に出演したパノヴィッチ氏は、最初はイカに見えたとしているが、「アメフラシとかウミウシと呼ばれているものだと思う」と述べている。
なお、フロリダ州魚類・野生生物保存委員会によると、ウミウシは一般的に、アメフラシなどを含む海洋性腹足類の総称だという。
パノヴィッチ氏によると、ウミウシは通常、サウスカロライナ州の海域には生息していない。本来、フロリダや西海岸など温かい海域で見られるという。ところが海水温度の上昇に伴い、生息域を北に広げているようだ。近年はノースカロライナ州のウィルミントンでも目撃されているという。
なお、イギリス南西部でも今年5月、カラフルなウミウシが目撃されて話題になっていた。
ババキナ・アナドニという種類で、別名「虹色のウミウシ」として知られている。通常はスペインやポルトガルなど温かい海域に生息しているが、2022年8月に初めてイギリスの海域で見つかって以来、今回で3回目の目撃となる。
---fadeinPager---
---fadeinPager---
---fadeinPager---