ゴミは消え、不動産の価値も上昇…「色」で街を活性化させるプロジェクトで、劇的変化が起きる

  • 文:山川真智子
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tashfrootko-Instagram

イギリス南西部のグロスター市で、あるアーティストが家々を鮮やかなペンキで塗り変えるプロジェクトを行っている。カラフルに変身した通りや広場は、街に良い雰囲気をもたらし、人々の気持ちをリフレッシュさせるなど、多くのポジティブな効果を生んでいる。コミュニティを変えたアーティストのビジョンと情熱に、賞賛が集まっている。

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通り丸ごと大変身!家を塗り直し、カラフルな芸術に

デイリー・メイル紙によれば、このプロジェクトを行っているのは、アーティストのタシュ・フルットゥコさん。2018年からグロスターで家の外壁をペイントし、通りや広場全体を変身させている。最初は小さな通りの家々から始め、これまでに1300リットル以上のペンキを使用し、134軒をビビッドな色に塗り替えてきた。

最近では、ホープウェル通りの63軒の家の塗り替えを完了。フルットゥコさんにとっては市内で5番目のプロジェクトで、これまでで最大の規模となった、完成のお披露目には多くの協力者や住人が集合。鮮やかな色でペイントされ生まれ変わった通りに、皆が満足そうだった。

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殺風景な通りが愛すべき地元に!街の活性化に貢献

フルットゥコさんがこのプロジェクトを始めたのは、人々に自分の住む街を愛してもらいたかったからだという。地元メディア、グロスターシャー・ライブによれば、グロスターには、ヴィクトリア女王時代に建てられたテラスハウスと呼ばれる長屋のような住宅が多く、殺風景なまま放置されていた。

そこで、荒廃した地域の特徴もない家々を選び、フルットゥコさんは大胆な色彩を与えることを考えたという。この創造的な取り組みにより、家並みに活気が戻り、地域にアイデンティティが生まれた。

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コミュニティにプライド 街並みも人も、アートが変えた

街が大きく鮮やかな芸術作品に生まれ変わったことで、人々の態度も大きく変わったとフルットゥコさんは話す。以前は当たり前のように見られたゴミのポイ捨てや不法投棄はなくなり、住民にコミュニティとしてのプライドが生まれたという。デイリー・メイル紙によれば、環境の改善で、価格が最大30%上昇した住宅もあるそうだ。

フルットゥコさんの活動に、地域社会や学校、通りを訪れる人たちは圧倒的にポジティブで、彼女のビジョンと意欲に多くの住民が感謝しているという。現在は市の一部を巨大な屋外アートギャラリーに変身させる取り組みも進めているということで、今後が楽しみだ。

 

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(2020年にフルットゥコさん塗り替えた通り)tashfrootko-Instagram

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(作業中の様子)tashfrootko-Instagram

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(『作品』となった通りは、“レインボー・ストリート”とも呼ばれている)tashfrootko-Instagram

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(上から見たレインボー・ストリート)

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(ペイントした家をバックにしたフルットゥコさんと地元の人々)

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(グロスターの観光局のサイトのツイッター)

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(塗り替えられる前の家並み)tashfrootko-Instagram

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(フルットゥコさんの取り組みを伝えるドキュメンタリービデオ)

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(レインボー・スクウェアと呼ばれる広場のビフォアアフター)tashfrootko
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