主張せずにほっとひと息つける、甘くスムースなアメリカンウイスキー【プロの自腹酒 vol.8】

  • 文:西田嘉孝
  • 写真:榊 水麗
  • イラスト:阿部伸二
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シーグラム/セブンクラウン

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トウモロコシなどを原料とするグレーンウイスキーと、大麦麦芽を原料とするモルトウイスキーをブレンド。アメリカで禁酒法が廃止された翌年の1934年に発売されて以来、世界中で愛され続けるアメリカンブレンデッドウイスキー。甘くまろやかな飲み口が特徴で、ストレートやロック、ハイボールはもちろん、コーラなどと割ってカジュアルに飲むのもお薦め。750㎖ ¥3,047(実勢価格)/ディアジオ ジャパン TEL:0120-014-969 ※実勢価格は編集部調べ

渋谷や新宿、台湾や中国のバーなどでバーテンダーとして腕を磨いた後、ヨーロッパをはじめとする国々で酒づくりの現場を訪ね歩き、各地の酒文化に触れてきた元永達也さん。2020年には、神奈川県・相模湖近くの古民家を改修して「伊勢屋酒造」を立ち上げ、自らの畑で栽培した薬草などを使ったアマーロの製造を開始。製造から瓶詰めまですべてハンドメイドでつくる「スカーレット」が、感度の高いバーテンダーや酒好きの間で大きな評判となっている。

そんな元永さんが、「気をつかわなくてもいい相棒」と表現する自じ 腹ばら酒ざけが「シーグラム セブンクラウン」。1934年に発売されたアメリンブレンデッドウイスキーだ。

「恩師である渋谷のバー・カリラのマスターが大好きなウイスキーで、お店でもハイボールにはこのウイスキーを使っていました。個人的にはスモーキーなスコッチなども好きですが、飲み続けていると疲れてしまう。対して、セブンクラウンはまったくストレスなく飲み続けられるウイスキー。ほのかな甘みとスムースな飲み口で、仕事終わりになにも考えずほっとひと息つきたい時などに、主張しすぎないで寄り添ってくれる『いいヤツ』なんです(笑)」

そんなセブンクラウンだから、キャンプで仲間と焚き火を囲む際のおともにもぴったり。

「最初は濃いめのハイボールから始まって、最後はストレートで。火を眺めながらウイスキーを片手に仲間と会話を交わしていると、他にはなにもいらなくなる。万人受けする味わいでありながら、ほどよい樽感や飲み応えもあるセブンクラウンは、会話を肴に飲むウイスキーとしてもうってつけだと思います」

あらゆるウイスキーを飲んできた元永さんがたどり着いた原点。これからのアウトドアシーズンに、ぜひトライしてほしい一本だ。

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ウイスキーと焚き火は、最強の組み合わせ

バーベキューの後、焚き火を眺めながら友人たちとセブンクラウンを飲むのが至福の時間。心地よい酔いに任せて本音で語り合えることも、ウイスキー×焚き火の醍醐味だ。

元永達也

1986年、大阪府生まれ。渋谷のウイスキーバー・カリラで店長を務めた後、新宿のベンフィディックや台湾の和酒などで勤務。2021年に「スカーレット」1stバッチをリリース。

伊勢屋酒造

住所:神奈川県相模原市緑区小原681
TEL:042-682-0625

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※この記事はPen 2023年7月号より再編集した記事です。