兵庫県とJRグループ6社による大型観光キャンペーン「兵庫デスティネーションキャンペーン」が2023年7月から9月にかけて開催される。この取り組みに神戸で創業したオニツカタイガーも参加。特別なシューズを3種類製作した。
「オニツカタイガー」そして「JR西日本」「ひょうご観光本部」。この三者が「持続可能性」をテーマに行うプロジェクトが、「兵庫デスティネーションキャンペーン テロワール旅 シューズプロジェクト」だ。
コラボレーションの狙いは、皮革産業や織物など、兵庫県内でいまも連綿と受け継がれ、土地の個性やそこに暮らす人々との深いつながりをもつ伝統産業にクローズアップすることで、兵庫の魅力を再発見し、多くの人々に伝えていくことである。
1949年に兵庫県神戸市で創業したオニツカタイガーが、兵庫県に発着する3種類の新幹線車両をモチーフにして制作する3モデルのシューズは、2023年3月にオニツカタイガーがNIPPON MADEコレクションとして発表した「MEXICO 66 GDX」をベースにデザインしたもの。
表革には日本を代表する皮革産地である姫路で仕上げた神戸牛のレザーを使用、北播磨地区で生産されている播州織のトートバッグが付属するなど、兵庫県がもつヘリテージを現代的な形にしながら、こうした産業の持続可能性について改めて考えるきっかけとなるアイテムだ。
目を引くのは、艶やかでシャイニーなシューズのルックスだ。表革にパール加工を施すことで、新幹線の車体の輝きを表現。さらに高密度の糸を用いて、アイコニックなオニツカタイガーストライプを立体刺繍で描いている。質感のコントラストによって、洗練された印象と特別感のある一足に仕上がっている。
インソールには、新幹線の内部図面をプリントするなど、遊び心あるデザインもいい。たとえばN700Sをソースにしたホワイトのモデルでは、車両側面のデザインを思わせるブルーの差し色をシューズ側面にオン。象徴的なブルーを自然に採り入れることで、新幹線らしさがむしろ際立っている。
このトリプルネームのコラボレーションの母体となる「兵庫デスティネーションキャンペーン」は、5月23日に兵庫県庁で概要が発表された。兵庫県の齋藤元彦知事は、N700Sをモチーフとするホワイトモデルを履いてこの場に登壇した。
2022年には兵庫デスティネーションキャンペーンプレキャンペーンを開催し、今年がキャンペーン本番、約75の観光コンテンツを準備している。来年にはアフターキャンペーンも実施する予定。
「全県規模のキャンペーンを契機に、県内各地の観光資源の掘り起こしと磨き上げを図りたい」と語った齋藤知事は、25年に開催される大阪・関西万博で関西地域を訪れる国内外の旅行者へのアピールを図るとともに、その後のサスティナブルな観光へと繋げていきたいと、キャンペーンの狙いを話す。
JRグループ6社と兵庫県が共同で取り組む観光キャンペーンとあって、その内容は充実。23年の兵庫デスティネーションキャンペーンでは、世界文化遺産そして日本国宝である姫路城の非公開エリアの特別公開やJR西日本の特別急行列車「WEST EXPRESS 銀河」の特別ルートでの運行、兵庫県内のJR特急列車・普通列車や但馬地域の周遊バスなどを3日間8千円で自由に乗り降りできる「ひょうご☆乗り放題パス」の発売など、県内の観光地を存分に楽しめるプランが設定されている。
日本海、そして瀬戸内海、さらに中国山地など、多様な環境を有する兵庫県では、この地を巡る旅を「兵庫テロワール旅」として、但馬牛や山田錦といった日本トップクラスの食や、地域の人々が磨き上げてきた文化体験による感動を届けたいと考えている。
また、オニツカタイガーでは、この兵庫デスティネーションキャンペーンとのコラボレーションを記念して「ミニチュアシューズワークショップ」を開催。兵庫県神戸市のアシックススポーツミュージアムで行われるこのワークショップでは、コラボレーションシューズをモチーフにした小さな靴のパーツを組み立て、長さ8cmのミニチュアシューズ制作を楽しめる。
ワークショップの予約は下記リンクで6月30日から受付開始。参加費は税込みで¥1000。対象年齢は10歳以上。この機会に兵庫のテロワールを巡る旅を楽しむなら、ルートの一つに組み込んでみてはいかがだろうか。
●兵庫テロワール旅 www.hyogo-tourism.jp/terroir/
●オニツカタイガー特集ページ www.onitsukatigermagazine.com