【Penが選んだ、今月の音楽】
『GRID//OFF』
正月になるとあちこちで聞く箏と尺八の音楽「春の海」。実はこの曲、発表当初は“洋楽っぽい”と言われていた。固定化された日本らしさは存在しないのだ。さすれば伝統的な箏と最先端の電子音が絡んで、互いのよさを引き立て合う本盤は、サブカルも含むTOKYOらしいアルバムといえる。収録曲でいちばん古いのがデリック・メイの「Strings of Life」で、他にもティグラン・ハマシアン、坂東祐大、網守将平、坂本龍一などジャンルも世代も超えた現代の鬼才たちの音楽がただただ格好いい。そして心に染み入る。
※この記事はPen 2023年6月号より再編集した記事です。
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