【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『日本の自然をいただきます 山菜・海藻をさがす旅』
アメリカ人の著者は、長野県松本市で暮らしていた時に隣人の案内で山菜採りをして、そのおいしさに感激。日本の天然食材に興味を抱く。春になれば、フキノトウやタラの芽を摘んで天ぷらにして食べる。それは畑で栽培された食物とは異なる滋味あふれるご馳走だ。とはいえ、里山の森の豊かさも天然の海藻もいまや危機に瀕している。北海道から九州まで天然食材を求めて旅した本書は、その土地の古来の食文化をひも解きながら、日本人が自然を食することで自然と共存することを学んできたと、改めて教えてくれる。
※この記事はPen 2023年6月号より再編集した記事です。
---fadeinPager---