ペットのオウムがビデオ通話で他のオウムとコミュニケーションし、新しい友達の輪を作ることができたという研究結果が報告された。オウムは知能が高く社会性があるが、ペットとして飼育されることで孤独や退屈を感じることも多いとされる。今回の研究が、ネットを利用した動物の精神的、感情的なサポートにつながると期待される。
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自分の意思で通話できる?ビデオ撮影したオウムの行動を分析
この研究では、ペットのオウムが自分の意思でビデオ通話を行うことを学習できるか、またそのプロセスを理解したオウムが、進んで通話を行うことを選択するかどうかを共同で調査した。スコットランドとアメリカの大学の、動物とコンピューターの相互利用の専門家の支援で行われ、18羽のペットのオウムの行動を1000時間以上にわたってビデオで観察した結果がまとめられている。
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タブレットで相手を選択 スクリーン越しに社会性が高まる
研究チームは、まず数羽のオウムを使った試験的な研究を行い、スクリーン越しに鳥を結びつけることができそうだと判断。次に、オンラインの教育プログラム「Parrot Kindergarten (オウム幼稚園)」に参加していたオウムと飼い主からボランティアを募り、より詳細な実験を実施した。
まず2週間かけて、世話をする人の助けを借りてオウムたちに機器の使い方を学ばせた。その結果、鳥達はベルを鳴らすことを習得。次にタブレット端末の画面上の他の鳥の写真をタッチして、その鳥に呼び掛けることができるようになった。
人の補助は必要だったが、その後はオウムたちが自分の意思でベルを鳴らし、呼びたい相手を選んでコールできるようにしたという。この段階の研究は2か月間続き、鳥同士の意図的な呼びかけを147回確認したという。
研究の論文の共著者でもあるノースイースタン大学のジェニファー・クーニャ博士は、オウムたちは画面上で他の鳥と関わっていることを理解しているようで、その行動も現実の鳥同士の交流で見られるものと似ていたと述べる。例えば、他の鳥を見て、餌を狩ろうとする動きを初めて取った鳥や、通話後に初めて飛んだ鳥もいたという。
15 pet parrots, with the help of their caretakers, were taught to initiate video calls with one another in a study that aimed to enrich their lives and improve the birds' socialization. pic.twitter.com/C1ORZSBZJb
— CBS News (@CBSNews) April 24, 2023
端末を使って友達と交流するオウムたち。羽繕い、歌、遊びなどの社会的行動も、より定期的に行うようになったという
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通話の様子。最も発信の多かったオウムには、他の鳥から多くのコールが寄せられていた。仲間内の社会性が高まったことが伺えるという
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ペットだって人と同じ…少ない刺激が心の病の原因に
実は、野生では多くのオウムが群れで生活しているが、ペットとしての飼育下では、単独または小集団で飼育されることが多い。そのため彼らの高い社会的、認知的、感情的ニーズを満たす刺激は少なく、孤立と退屈で、心理的な問題を引き起こすこともあるという。
この研究に関わったグラスゴー大学のイリアナ・ハースキー・ダグラス氏は、コロナのパンデミックの初期には、ロックダウンや自己隔離が行われたが、ビデオ通話技術によって多くの人々が助けられたと話す。アメリカでは2000万羽のオウムが人と暮らしており、鳥達にもビデオ通話が有効か、またそれが飼い主のためにもなるかどうかを調べたいと思ったと話している。
Researchers at Northeastern University, MIT help teach parrots to make video calls through study
— 7News Boston WHDH (@7News) April 25, 2023
https://t.co/jI7gu5IXDe
通話には人の助けが必要。この実験で世話をする人との絆も深まったという
ハースキー・ダグラス氏は、ペットと飼い主が対話できる動物のインターネットはすでに存在しているが、あくまでも人間に主眼を置いたものだと指摘。今後の研究グループの作業は、動物の身体的、精神的、感情的な要求を中心としたものにしたいとしている。
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【動画・画像】鳥だって「孤独はいや…」ペットのオウムが、仲間とのビデオ通話を学習
この研究では、ペットのオウムが自分の意思でビデオ通話を行うことを学習できるか、またそのプロセスを理解したオウムが、進んで通話を行うことを選択するかどうかを共同で調査した。スコットランドとアメリカの大学の、動物とコンピューターの相互利用の専門家の支援で行われ、18羽のペットのオウムの行動を1000時間以上にわたってビデオで観察した結果がまとめられている。
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15 pet parrots, with the help of their caretakers, were taught to initiate video calls with one another in a study that aimed to enrich their lives and improve the birds' socialization. pic.twitter.com/C1ORZSBZJb
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端末を使って友達と交流するオウムたち。羽繕い、歌、遊びなどの社会的行動も、より定期的に行うようになったという
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通話の様子。最も発信の多かったオウムには、他の鳥から多くのコールが寄せられていた。仲間内の社会性が高まったことが伺えるという
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ペットだって人と同じ…少ない刺激が心の病の原因に
Researchers at Northeastern University, MIT help teach parrots to make video calls through study
— 7News Boston WHDH (@7News) April 25, 2023
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通話には人の助けが必要。この実験で世話をする人との絆も深まったという
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