旅客機のエコノミー席で、横になって眠れるサービスの提供が拡大している。所定の追加料金を払うことで3列がけシートを1人で独占し、席をまたいでベッドのように使えるサービスだ。
海外行きのフライトは心躍る反面、長距離の深夜便では機上でいかに睡眠を取るかに旅行者たちは苦労してきた。ファーストクラスやビジネスクラスの本格的なフルフラット・シートには手が届かなくとも、比較的気軽に購入できる追加オプションとして、長距離便を中心に人気を集めている。
サービスは以前から存在したが、このところ利用が増加傾向にあるようだ。ニューヨーク・タイムズ紙は、「長距離路線の航空会社において、乗客が横になれるエコノミー・シートを提供するところが増えている」と報じている。一人旅はもちろん、カップルの場合はとくに利用しやすいとして、各社は売り込みに力を入れているという。日本路線の一部にも導入されている。
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ギミック搭載でより広いベッド幅を実現
一部の航空会社では、座席に専用のギミックを用意している。ニュージーランド航空のサービスである「スカイカウチ」は、レッグレストを活用してベッド幅を拡張するしくみだ。通常は垂直に近い角度で設置されているレッグレストを、回転しながら座面の高さにまで引き上げ、座面とフラットな状態にまで移行する。
3列シートをこの状態にすることで、コンパクトなベッドに早変わりする。長さは約1m55cm、幅は約74cmとなり、膝を軽く曲げれば十分横になって休むことができる広さとなっている。
価格はグループの人数と使用席数によって異なるが、単純に追加座席を購入するよりも安価だ。また、座面の上に敷く簡易的なマットレスパッド、毛布、枕のセットが提供される。両サイドに見知らぬ人がいる状態で座ったまま眠るよりは、ゆっくりと身体を休めることができそうだ。
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ANAの成田=ホノルル便でも提供中
🌺ANA COUCHii(#ANAカウチ)を知っていますか?🐢#フライングホヌ には、日本の航空会社で初となる #カウチシート を導入しています🤙
— ANA Group News (@ANA_Group_News) August 10, 2021
シートがフラットになり、ベットのように利用することができます☺️
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ANA(全日空)も、成田発ホノルル便で「ANA COUCHii(ANAカウチ)」を導入している。こちらも3席または4席を独占し、レッグレストを引き上げて座面を拡張するサービスだ。専用の寝具が1組に1セット提供される。
同社ウェブサイトによると、ローシーズンに2名で3席(通常席プラス1席)を利用する場合、1組あたり2万円の追加料金で利用可能だという。エアバスA380型機の成田=ホノルル線をANA便名で予約する乗客が対象となる。
ほか、座席を拡張するギミックを搭載せず、通常の席を隔てているアームレストを跳ね上げ、そのまま簡易的に横になる形式も存在する。エアアジアは過去に羽田=クアラルンプール線で、空席がある場合に2000円台の追加料金で3列を独占できる「エンプティ・シート・オプション」を抽選販売していた。
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高い満足度「これがなければ乗りたくないほど」
横になっての睡眠は、通常の座席よりも断然快適のようだ。スカイカウチを利用したアメリカの44歳女性医師は、ニューヨーク・タイムズ紙に対し、スカイカウチは何度も利用しており、熟睡できる点が気に入っていると語る。
アメリカからニュージーランドに頻繁に飛ぶ機会があるという彼女は、「正直に言って、これがなければ二度と飛行機で(ニュージーランドまで)行きたくないほどです」と語る。現地に着いてから何日も時差ぼけに悩まされることがないため、機上で座って寝るよりはずっと良いのだという。
英ミラー紙アイルランド版は、乳児を連れた一家がこのサービスに救われたと紹介している。メルボルンからロサンゼルスまでを飛ぶ14時間の長距離フライトで、母親が赤ちゃんと一緒に横になって眠ったり授乳したりできたため、バシネット(座席前方に取り付ける簡易ベビーベッド)よりもずっと良かったと感想を語っている。料金については、3席目を通常料金の半額ほどで購入できたという。
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カップルで利用すればより合理的
航空各社はまた、カップルの旅行客を有力な購買層と見込んでいるようだ。ニュージーランド航空は同社ウェブサイトにて、「少しスペースに余裕が欲しいカップル、またはお子様連れのご旅行に。革新的なエコノミー『スカイカウチ』は、そんなお客様にとっての理想的なシートです」とうたう。
多くのカップルは、寄り添うことに比較的抵抗感が少ないと考えられる。このためニューヨーク・タイムズ紙は、1つのスカイカウチを共有でき、コストパフォーマスが良いと指摘している。
また、2人連れであれば、もともと2席分の座席を必要とする。わずかなアップグレード料金で3席目・4席目を確保できることから、こちらも値ごろ感を得やすい誘因になっているようだ。
スカイカウチの幅約74センチというサイズに2人で寝るのは、小さめのシングルベッドに2人で横になるようなイメージとなる。たしかに狭さを感じるものの、1晩限りの仮眠のスペースとしては十分に実用的だ。
もちろん、やや割高になるものの、一人客でも利用可能となっている。旅行先での大切な1日目を時差ぼけで悩まずに済むことを考えると、利用価値の高いオプションと言えそうだ。
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【画像・動画】「カップルに最適」エコノミー席なのに“フルフラット”、航空各社で提供拡大
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ギミック搭載でより広いベッド幅を実現
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Economy Skycouch
— Air New Zealand ✈️ (@FlyAirNZ) June 28, 2022
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— The Points Guy (@thepointsguy) March 31, 2023
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ANAの成田=ホノルル便でも提供中
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— ANA Group News (@ANA_Group_News) August 10, 2021
シートがフラットになり、ベットのように利用することができます☺️
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