情緒あふれる港町の会場で、現代アートと時間旅行を楽しむ

  • 写真 & 文:坂田マルハン美穂
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KOCHI コチ/インド

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バングラデシュの女性アーティストによる作品。農民コミュニティとの協調により、竹や黄麻、藁を用いて「大地」を創造。 

インドのコチで、国際的な芸術祭「コチ=ムジリス・ビエンナーレ」が開催中だ。コチは南西インド、アラビア海に面したケララ州に位置する。かつてムジリスという伝説の港町があり、数千年前からアラブ商人が行き交い、香辛料貿易で栄えてきたが、14世紀の洪水によって消失。後にこの地で繁栄した都市がコチだ。

5回目となる今回は、「ポリティカル・アイデンティティ」をテーマに、約100名のアーティストが出展。過半数はインド人、残る約4割は日本人を含む外国人だ。コチに点在する歴史を湛えた情趣ある建造物を会場に、メッセージ性の強い作品が溶け込む。独特の芸術空間は、時間旅行へもいざなってくれるかのようだ。

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1939年、ガンディーがヒトラーに宛てた手紙が、暗室の中央に照らし出される霧、流れ落ちる文面で表現されている。

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