音楽家の小林武史が総合プロデューサーを務める千葉県・木更津のサステイナブルファーム&パーク「クルックフィールズ」。2019年の開業以来、約30ヘクタールの広大な敷地に農園やレストラン、宿泊施設を設けるなど段階的に開発が進められてきた。22年11月には、「サステナブルな環境と暮らしの共存」を体験できる宿泊施設「コクーン」が完成。このディレクターを務めるミナ ペルホネンの皆川明のコンセプトをもとに、建築と家具の設計ユニット「イッケン(ikken)」を主宰する吉田隆人が設計を手がけている。
“繭”のかたちから発想を得た7棟の客室は、クルックフィールズ全体が見渡せる高台に点在し、緑豊かなランドスケープに溶け込んでいる。それぞれの客室からはテラス越しに農地やアートが望め、自然との一体感を感じられる。
室内は無垢材や石など再生可能な自然素材を多用し、シンプルで温かみのあるデザイン。ミナ ペルホネンのアイテムに調和させたオリジナルの木製家具もあり、日常の延長のように寛げる場となっている。家具も手がける吉田だからこそ実現できた空間だ。
敷地内には畑で収穫した野菜や卵を使って調理や食事が楽しめるキッチンラウンジの他、レストラン、サウナも完備。自然の中で暮らすようなひとときを、ぜひ体感してほしい。
コクーン
住所:千葉県木更津市矢那 2503 クルックフィールズ
TEL:080-4838-0865
料金:全7室 ツイン¥52,800~ ※1泊2食付き・サービス料・環境保全料込み、クルックフィールズ会員費別
https://kurkkufields.jp
【設計者】イッケン(ikken)
代表の吉田隆人は、1977年京都府生まれ。2006年からレミングハウスに勤務。14年にイッケン設計室を設立。代表作に『HIN / Arts & Science』など。京都を拠点に建築から家具の設計、製作を行っている。
※この記事はPen 2023年5月号より再編集した記事です。