ロンドンのデザイン・ミュージアムで、中国出身の現代アーティスト、アイ・ウェイウェイ(艾 未未)による意義深い新作が公開された。
2023年4月7日から一般公開される、デザインに焦点を当てたアイの初めての展覧会「Ai Weiwei: Making Sense」に先駆けての公開だ。アイはこの展覧会のために、クロード・モネの最も有名な作品の一つを、65万個のレゴブロックで再現している。
これは、アイが今までにレゴで制作したなかで最大の作品だ。全長は15メートルを超え、デザイン・ミュージアムの壁一面を占めるほどだ。タイトルは『Water Lilies(睡蓮) #1』。22色のレゴブロックでつくられている。
この有名な風景画を再現することによって、アイは、私たちが抱く「現実性」や「美しさ」というイメージに問いを投げかけている。レゴブロックで構築されたこの新しいイメージは、モネの筆遣いを消し去り、工業部品とその色彩という没個性的な言語で描かれている。
ピクセルを思わせるこれらのブロックは、現代的生活の中心を占めるデジタル技術を示唆しており、現代社会にアートがどう浸透しているかということも示している。観る人をさらに刺激するのは、アイの睡蓮の右側に組み込まれている暗い入口だ。これは、1960年代の文化大革命時に、新疆ウイグル自治区へ強制移住させられたアイと父親のアイ・チンが住んでいた砂漠の穴ぐらへの扉だ。親子が暮らした地獄のような場所が、水の楽園に穴を穿っているのだ。
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アイ・ウェイウェイによるレゴの睡蓮
デザイン・ミュージアムでは、『Water Lilies #1』以外にも、アイ・ウェイウェイによる主だった新しいレゴ作品が世界初公開される。2023年1月に初めて発表された『Untitled (Lego Incident)』は、数十万個のオブジェが展示室の床に並べられた、広大な5つの「フィールド」の一部を構成している。
このフィールドで来場者が目にする数千個のレゴブロックは、世界中の一般市民からアイに寄付されたものだ。これは、2014年にレゴ社が自社製品をアイに販売することを拒否したことを受けてのことだ(反体制の政治活動家に関する作品を制作するためだったが、同社から「政治的主張をする目的で製品を使用すること」は認められないとして提供を断られた)。これらの寄付されたブロックは、今回のデザイン・ミュージアムで、完成作品として初めて展示されている。
Ai Weiwei: Making Senseは、デザインと建築に焦点を当てた、アイ初めての展覧会になる。この展覧会でアイは、デザインと制作の歴史を、私たちが何を大切にしているのかを考えるレンズとして使用している。
この展覧会には、アイ・ウェイウェイのキャリアを通して制作されたオブジェや作品も数十点展示される。アイはこれまで、過去と現在、手作業と機械、貴重なものと価値のないもの、創出と破壊といった、相互に対立する事柄を探求した作品を生み出している。コカ・コーラのロゴを描いた漢王朝の壺は、こうした対立関係の衝突をよく表しているアイの作品の一つだ。
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プロジェクト情報:
名称:Ai Weiwei: Making Sense
アーティスト:アイ・ウェイウェイ
開催場所:デザイン・ミュージアム
※この記事はdesignboomからの転載です。
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【画像】65万個のレゴでモネの『睡蓮』を再現した、アイ・ウェイウェイの驚きの新作
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プロジェクト情報:
名称:Ai Weiwei: Making Sense
アーティスト:アイ・ウェイウェイ
開催場所:デザ