アストビサ/アラバコ・チャコリーナ・ピルピル
世界各国の料理や酒が楽しめるトーキョーファミリーレストランを2006年にオープンし、18年からは『ジンフェスティバル東京』を主宰する三浦武明さん。レストランに併設し、日本最大級の品揃えを誇るジン専門ボトルショップの運営に加え、自らのジンブランド、ディスティラー エムを立ち上げるなど、日本のジンカルチャーを牽引し続けてきた第一人者だ。
「仕事ではアルコール度数の高いジンなどを飲むことが多いので、プライベートは度数が低めで飲み疲れないビールやワインなど、身体に優しいお酒を選ぶことが多いですね」
そう話す三浦さんの最近のお気に入りは、スペインとフランスの国境をまたぐバスク地方でつくられる、微発泡ワインのチャコリ。なかでもお薦めの一本が、スペイン側のアラバ県に位置するワイナリー、アストビサが醸す「アラバコ・チャコリーナ・ピルピル」だ。「 休日の午後に妻や子どもたちと食卓を囲みつつ、食中酒として冷やしたピルピルを合わせるのが春先の定番です。果実感がありながら酸がとてもチャーミングで、繊細だけどレモンサワーのような元気さもある。和食にも合いますし、肩の力を抜いて飲めるのも気に入っています」
大西洋に面したバスク地方の名産だけに、魚介類に合うのはもちろんだが、三浦さんのいち推しは、山菜の天ぷらとのマリアージュ。レモンを搾る感覚でこのワインを合わせるのだそう。また、かつてバスク地方で盛んだったクジラ漁をイメージしたキュートなラベルは、花見などの集まりに持参するのにもうってつけ。同じ畑から採取したボタニカルや、チャコリの発酵時に出るアロマを凝縮して蒸留したジンもリリースされているので、両者を飲み比べるのも楽しい。ワイン好きのみならずジン好きにも、これからの季節に取り入れたい一本だ。
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魚介類だけでなく、和食とも好相性なピルピル。三浦さんのお薦めは山菜の天ぷら。山菜の深みのある味わいと、チャコリのフレッシュな酸味のマリアージュが絶品だ。
三浦武明
1974年、東京都生まれ。レストランやショップ経営のみならず、ジンの専門アプリのリリースや開発なども行う日本のジンカルチャー第一人者。
トーキョーファミリーレストラン
住所:東京都渋谷区東1-3-1 カミニート20 3F
TEL:03-3797-3355
※この記事はPen 2023年5月号より再編集した記事です。