企業やブランドのロゴデザインには、ときにわくわくするような秘密が隠されていることがある。日本にも就航しているオーストラリアの航空会社「ジェットスター」のロゴにも、密かな遊び心が宿っていたようだ。
鋭い観察眼でこのロゴに込められた仕掛けを見抜いたのは、オーストラリア・メルボルンに住むブロガー男性のザック・マーティンさんだ。4日間連続でオーストラリア各地を飛び回った際、ふと隠れたシンボルに気付いたという。
マーティンさんは広告の評価を得意分野としている。旅を通じ、オーストラリア全土にはびこる質の低い広告デザインの数々に出合い、辟易したという。だが、旅の途中、マーティンさんを興奮させる発見が待っていた。何度もジェットスターに搭乗するうちに、そこに込められた優れたデザインセンスに気付いたのだという。
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尾翼に踊るさりげないロゴに……
発見はどのようなものだったのだろうか? ジェットスターのロゴには、2種類が存在する。1つ目は社名のフルスペルの後にシンボルの星を配した「Jetstar★」のバージョンだ。
このほか、短縮版の「Jet★」がある。星印を「star」と読ませる、しゃれたデザインだ。限られたスペースに表示することができるため、こちらは機体の垂直尾翼などによく採用されている。
マーティンさんは短縮版のロゴを見つめるうち、「t」と「★」の間にある余白が、移動を示す「→」の形になっていることを発見したという。確かに、両者に囲まれた背景の部分が、太い矢印のように見える。
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ジェットスターの広報が感激
この知られざるデザインは、ジェットスターが正式に意図したものだったようだ。豪ジェットスターの広報部門は、豪ニュースサイトのnews.com.auに対し、次のようにコメントしている。
「このロゴのディテールを発見した鋭い観察眼を持つお客様に、私たちはとても感動しています! ロゴは2003年の就航直前にデザインされたもので、航空機の尾翼など、スペースに限りのある場所で使用されています」
英デイリー・メール紙オーストラリア版はマーティンさんの発見を取り上げ、「(これまで)多くの乗客が気づかないままだった」と報じている。ある利用者はロゴの秘密に驚き、同紙に「もう、そうとしか見えない」と語った。
news.com.auによると、あるユーザーは「かっこいい。こんなの自分では絶対に気づけないよ」と書き込んだ。
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ロゴ全体に宿る工夫、すべては矢印のために
よく見れば細部のデザインも、この矢印が偶然生まれたのではないことを物語っている。
フルスペル版のロゴでは「t」の下部、曲線の内側がわずかに丸みを帯びている。英字として自然なデザインだ。これに対し短縮版では、この部分が直角に変更されている。この修正により、上下対称のきれいな矢印の形状が確保されている。
また、矢印の秘密が明らかになったことで、なぜオレンジの星が傾いているかという長年の謎も説明されたといえるだろう。斜体をかけたことでスピード感が出るだけでなく、矢印先端の角度を上下対称にする効果が生まれている。
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ネガティブスペースの秘密はFedExロゴにも
デザイン上、メインのオブジェクトを囲む余白は「ネガティブスペース」と呼ばれる。優れた意匠を完成させるために重要な要素とされるほか、デザイナーがちょっとした仕掛けを宿す場になることがある。
米輸送会社のフェデックスは、ロゴのネガティブスペースに遊び心を忍ばせた例として有名だ。「FedEx」の「E」と「x」の間のネガティブスペースが、こちらもジェットスターと同様の矢印になっている。物流サービスの速達性を表現しているかのようだ。
見慣れたロゴも注意深く観察してみると、新しい発見があるかもしれない。
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【画像】「もう、そうとしか見えない!」ジェットスターのロゴに隠された秘密が話題に
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ジェットスターの広報が感激
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ネガティブスペースの秘密はFedExロゴにも
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「50年間気づかなかった!」チョコレートに隠れたメッセージを10歳の少年が発見
三角柱のパッケージがひときわ目を引くチョコレート菓子、トブラローネ。
名前は覚えていなくても、スーパーの輸入菓子コーナーで見たことがあるという人も多いだろう。現代の店頭に並んでいてもまったく違和感がないが、実は1世紀以上前のスイスで生まれたという歴史あるチョコレート菓子だ。
アメリカの企業がブランドを保有するようになった今でも、スイス・ベルンで製造されている。有名なこのお菓子のパッケージに隠れた秘密を、小さな男の子が発見したようだ。
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「クマって何のこと?」
発見したのは、ステファニーさんという女性の息子だった。
まだ10歳の息子が何気なく口にした疑問の衝撃を、ステファニーさんは投稿している。投稿は現在、残念ながら削除されているものの、米ニューヨーク・ポスト紙が掲載したキャプチャによると次のようなものだった。
「息子が今日、はじめてトブラローネを食べた。『クマにはどんな意味があるの?』
私:『クマって?』
ずっと年上の私だけど、トブラローネのロゴにクマがいるなんて今日まで知らなかった」
ステファニーさんの息子は、山のイラスト部分に隠されたクマをあっというまに見抜いたようだ。
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山肌に隠された遊び心
トブラローネのパッケージには、製造地・ベルンの街の背後にそびえるマッターホルンが描かれている。
雪をまとった荒々しい山肌を、白黒のみで巧みに表現した図案だ。ブランド発祥の地を刻んだしゃれたパッケージだが、デザイナーはさらなる遊び心をそっと仕掛けていた。
山肌の絵の中央部分、光の面と影の面の境目付近をよく観察すると、右を向いたクマの全身像が隠されているのがわかる。山岳地帯に近いベルンでは、街の紋章にクマが描かれている。形こそ違えど、おなじクマをロゴのなかに人知れず仕込んだ、粋な演出となっている。
クマがいるという息子の言葉に、はじめこそ何のことだかわからなかったステファニーさん。パッケージをしばし凝視して、息子の意図に気づいてハッとしたようだ。
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「半世紀以上気づかなかった!」
英デイリー・メール紙は、「ほとんどの人が見たことのない」クマの発見だとし、「多くの人々に衝撃を与えている」と報じている。
小さな遊び心に気づいた少年に対し、ネット上では賛辞が寄せられた。とくに長年トブラローネに親しんできた高齢の人ほど、鮮烈な驚きを覚えたようだ。
71歳になったというあるTwitterユーザーは、「トブラローネをもう50年ほどクリスマスに食べているけれど、パッケージを探してみて、やっとクマを見つけました! 息子さんは聡明ですね!」とリプライを送っている。
「すごい、私の目には60年以上も見えていなかった」と素直に感心するユーザーもいた。
山に複雑な模様が描かれていれば、それは山肌の凹凸だ——という固定観念のない少年だからこそ、大人たちが見逃していた秘密を発見することができたのかもしれない。
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【画像】「50年間気づかなかった!」チョコレートに隠れたメッセージを10歳の少年が発見
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「クマって何のこと?」
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山肌に隠された遊び心
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「半世紀以上気づかなかった!」
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