「とにかくやってみて!後悔はしないはず」車椅子ユーザーのアメリカ人女性、レネー・ブランズさん(38歳)は、1年間で55カ国を訪問。「車椅子で1年間に訪問した国の数」でギネス世界記録を取得した。彼女は既に、国連が承認している195の国と地域のうち117カ国を旅しており、今後10年ほどで残りの78カ国を訪れたいと考えている。「世界は広くて見るべきものがたくさんある」と語る。
米ジョージア州アトランタに住むレネーさんは、7歳の時から車椅子を使用。 自身のホームページによると、診断が未確定だったため、専門医の診察を受けるべく母親とアメリカ国内を旅して回ったそうだ。16歳の誕生日までに、アメリカの50州すべてを訪れている。この経験が彼女を旅好きにし、もっと広い世界を見てみたいと思うきっかけになったという。
「私は障害を持つことで、世界を違った角度から見ることができるようになりました」とCNNに語っている。
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ギネス世界記録取得を報告するレネーさん
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"Being a wheelchair user won’t stop me from traveling the world."
— CNN (@CNN) February 17, 2023
Renee Bruns, who has been using a wheelchair since she was 7, has traveled to 117 of the 195 UN-recognized countries and territories on the globe. https://t.co/NL4th0zF46 pic.twitter.com/3QqUy4yIzW
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初めての一人旅にも挑戦
保険会社の役員の仕事をしていたレネーさんは、燃え尽き症候群を経験。サバティカル休暇を取って1年間旅をすることを決意した。サバティカル休暇とは、一定の長期勤続者が与えられる長期休暇制度だ。「私は手持ちのお金をすべて貯金し、旅行資金に回しました」とMirror紙に語っている。
それまでは家族やパートナーに助けを借りながら旅をしていたが、2022年5月に初めて一人旅を計画。インドネシアのバリ島への片道航空券を購入して冒険へと旅立った。「車椅子ユーザーとしての旅に伴う恐怖と闘う能力が、自分自身にあることにとても感謝しています」とレネーさんは語っている。
また、CNNでは「一人旅は、私にとってとても怖く、同時に自由に解き放たれるような経験でした。専属の医療アシスタントや、寄り添ってヘルプしてくれる人が同行しないのです」とレネーさん。
2022年5月、バリ島に到着したレネーさん
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以前よりも車椅子ユーザーに優しくなっているが…
レネーさんは「2本の脚を使う人のためにデザインされた世界を旅するのは、容易なことではありません」と語る。彼女の幼少期の頃に比べれば、車椅子ユーザーに対する意識は高まっているものの、飛行機の搭乗、宿泊施設内での段差、小さなバスルームなど、事前に充分な確認をしていても、まだまだ課題はあると言う。「私が若い頃は、車椅子に乗っていると敬遠される経験もしましたが、今はあまり感じません。道端の段差などで一時的に身動きが取れなくなった時には、皆さん積極的に助けてくださいます」。しかし小さな行き違いは、「特に疲れていて早く部屋に入りたい時に、大きなフラストレーションになる」と正直に語っている。
フィジーで学校を訪問したレネーさん
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117カ国目はニカラグアだった。
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一人旅から得たことは、自分で決断して行動した自信
レネーさん自身の旅の経験から、アメリカ、ノルウェー、スイス、フィンランド、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランドの7カ国が、多様な属性やさまざまなニーズをもっている人も満足させるインフラをもつ国だと語る。一方で、歴史的な観光地ほど、この面で劣る傾向があると指摘。「私はいつも、旅先で見たいモニュメントを見ることができないかもしれない、と自分に言い聞かせています。でも、もし行きたい国や都市にたどり着き、その一部を見ることができたなら、それだけでラッキーなのです」
新しい国を訪れるたびに、レネーさんは現地の人を探し「家族、生活、文化についてただおしゃべりする」ことを目指しているそうだ。「現地の人とおしゃべりをして、その人のことを知ることができるのは、私にとって最もやりがいのあることのひとつです。人間にはどれだけの共通点があるのか、どれだけ同じなのかということを、しっかりと思い出させてくれます」
一人で行動し、その過程で大きな決断をしなければならなかったことで得た自信が、旅から学んだ最大の収穫であると強調する。「もし失敗したとしても、素敵な時間を過ごせたとしても、どちらの場合も私の責任です」と彼女はCNNで語っている。「それはなんて素敵なことなのでしょう!私の最大のメッセージは、これをやろうと考えている若者や大人、子どもたち、特に制限のある人は、とにかく飛び込んでやってくださいということです」
SNS上には「あなたの強い心にインスパイアされる」「人生短いものね、私もやりたいことのためにお金を貯めよう!」、同じ車椅子ユーザーからは、使用している車椅子のメーカーを尋ねる具体的な質問などがあふれている。
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ギネス世界記録取得を報告するレネーさん
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"Being a wheelchair user won’t stop me from traveling the world."
— CNN (@CNN) February 17, 2023
Renee Bruns, who has been using a wheelchair since she was 7, has traveled to 117 of the 195 UN-recognized countries and territories on the globe. https://t.co/NL4th0zF46 pic.twitter.com/3QqUy4yIzW
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初めての一人旅にも挑戦
2022年5月、バリ島に到着したレネーさん
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以前よりも車椅子ユーザーに優しくなっているが…
フィジーで学校を訪問したレネーさん
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117カ国目はニカラグアだった。
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一人旅から得たことは、自分で決断して行動した自信