【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『スティーブ&ボニー 砂漠のゲンシリョクムラ・イン・アメリカ』
広島で生まれ、福島で夫と植木屋を営む著者はアメリカで開かれる原子力に関する会議に出席することに。震災後、ボランティア団体「福島のエートス」を設立、放射能の勉強会や放射線量の測定を行ってきた著者の滞在先が原子力技術者のスティーブと妻ボニーの家だった。被災地で暮らす人間の実感と専門家の認識の乖離なら散々体験してきた著者だが、スティーブはちょっと違った。異種格闘技のようなふたりの出会いが、原発のいまを伝えるこの本にロードムービーさながらの魅力をもたらしている。
※この記事はPen 2023年4月号より再編集した記事です。
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