東京・中目黒のN&A Art SITEの企画運営を行うエヌ・アンド・エーの代表・南條史生が、気鋭の若手アーティストに焦点を当てて活動を紹介する現代美術展シリーズ「NANJO SELECTION」。その第1弾として、川内理香子の個展“line & colors”が3月25日から4月27日まで開催される。

川内理香子は2015年に新進アーティストを対象にした公募プログラム『shiseido art egg』に入選して資生堂ギャラリーで個展を開催し、shiseido art egg賞も受賞。また2022年には『VOCA展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─』で大賞のVOCA賞を受賞する一方、ドイツのVAN DER GRINTEN GALERIEにてヨーロッパ圏での個展を初開催するなど、国内外から注目を集めている。

食と身体への関心をテーマの起点とし、ドローイングやペインティングをはじめ、針金やゴムチューブ、樹脂やネオン管などさまざまな素材を用いながら幅広い表現で作品を創作。なかでも油彩作品では、油彩絵具を厚く塗り、その上からペインティングナイフの先端で絵具を削るように線を描くという独特の手法が印象的だ。

今回の個展で展示される13点の新作油彩作品は、レヴィ＝ストロースの神話分析から着想を得た動物や植物のモチーフと人体や人間の頭部が混然と配置されていて、川内ならではの身体観や生命観が感じられる内容となっている。また会期中にはN&Aの公式YouTubeで川内と南條によるトークも配信予定だ。