日本海を望む兵庫・豊岡市内にある「玄武洞公園」。京都から鳥取にまたがる山陰海岸ジオパークの一部に加盟認定されており、160万年前の火山活動によって流れ出たマグマが固まる際にできた“柱状節理”を見ることができる。2022年8月には、玄武岩の魅力をより体感できる屋外ミュージアムとしてリニューアルオープン。基本設計と全体監修をデザイナーの二俣公一が率いるケース・リアルが手がけている。
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園路や休憩棟の改装、サイン計画など多岐にわたる再整備では、敷地全体の色彩と素材を見直した上で必要な部分のみに手が加えられた。明るい黄土色の土間、擬木柵や樹脂の手すりといった自然風の造作物は、経年変化とともに馴染むコンクリートや鉄などの素材に変更。グレーを基調に、ノイズのないデザインに仕上げている。
なかでも整備の主軸となったのが、5つある洞のうち国の天然記念物に指定されている「玄武洞」と「青龍洞」だ。洞の前面に幾何学をベースにしたコンクリートの“基壇(ステージ)”とベンチを造作。境界となる人工物を対峙させることで、ダイナミックな巨岩を引き立たせ、自然と静かに向き合う場をつくり上げている。
リニューアル以降、音楽イベントなど新たな活用もされており、長年親しまれた希少な景勝地が再び注目されている。
玄武洞公園
住所:兵庫県豊岡市赤石1347
TEL:0796-22-4774
開園時間:9時~17時 ※入園は閉園30分前まで
休園日:12/29 ~1/3 ※臨時の休園日あり
料金:一般¥500
https://genbudo-park.jp
【設計者】ケース・リアル
代表の二俣公一は、1975年鹿児島県生まれ。2000年に福岡を拠点とするケース・リアルを設立。05年には東京オフィスを、13年にはプロダクトデザインに特化した二俣スタジオを開設。
※この記事はPen 2023年4月号より再編集した記事です。