近頃、日本からの旅行者や出張者がパンデミック前のようにどんどんとニューヨークに戻って来ているが、お土産としても人気なのが、日本では未発売のセレブリティがプロデュースするコスメやスキンケアブランドだ。
近年ではリアーナが手がける「FENTY BEAUTY」がLVMHに買収されて規模を拡大するなど成功を収めている印象があるが、2022年はセレブリティによるブランドのデビューラッシュだったのではないだろうか。
ヘイリー・ビーバーによるスキンケアブランドの「rhode skin」、キム・カーダシアンによるスキンケアブランドの「SKKN BY KIM」、レディ・ガガによるコスメティックブランドの「HAUS LABS BY LADY GAGA」は相次いで昨年6月にアメリカで販売開始されている。
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それ以前にもアリアナ・グランデのコスメティックブランドの「r.e.m. beauty」やセレーナ・ゴメスのコスメティックブランドの「Rare Beauty」がデビューするなど、セレブ監修によるブランドの市場も活況を呈してきているのは確かだ。今ではスキンケアやマニュキュア、香水にメイクアップなどを取り揃えるハリー・スタイルズの「Pleasing」や、トラヴィス・バーカーの「BARKER WELLNESS CO」など、メンズセレブリティによるブランドもデビューしている。
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セレブリティによるスキンケアブランドやコスメティックブランドは今に始まったことではない。遡れば1994年にはモデルのイマンが有色人種として初のコスメティックブランドの「IMAN」を立ち上げ、ジェシカ・アルバは「HONEST」を2011年にスタートさせるなど、セレブリティ監修のブランドはこれまでもあったのだが、近年ではその勢いが加速している。
SephoraやUlta Beautyなどのショップに行くと、それらのブランドが一堂に会していることがすぐに分かるため、消費者としてもセレブブランドの活況が実感しやすいのではないだろうか。Ulta Beautyではカイリー・ジェンナーの「カイリー・コスメティックス」が大きな棚を占め、Sephoraでは「FENTY BEAUTY」や「Rare Beauty」、「HAUS LABS BY LADY GAGA」の棚がひしめき合っている。
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実のところ、こうしたセレブリティ監修のブランドに飽き飽きしている消費者も多いようだが、商品のクオリティの高さに太鼓判を押すビューティーエディターも少なくはない。今まで嫌というほど多くのブランドに名前や顔を貸してきたセレブリティだからこそ、自分たちの納得のいくものだけを集めて、商品の成分はもちろん、開発過程からブランディングまでこだわり抜いてデビューさせたブランドだからだ。
ヘルシーな肌が印象的なヘイリー・ビーバーの「rhode skin」は、シンプルなスキンケアの美容液、クリーム、彼女のような弾力感のあるリップになれるグロスの3種類という潔いラインナップだ。価格も美容液とクリームがそれぞれ$29-(約3,900円)、グロスが$16-(約2,200円)と手の届きやすい価格で、ヘイリーの持つヘルシーな肌に近づけるような気になれるシンプルなパッケージにも好感が持てる。
「FENTY BEAUTY」や「HAUS LABS BY LADY GAGA」は、奇抜なカラーリングのリップやフェイスカラー、アイパレットも目立つが、リアーナの提案するさまざまな人種の肌にも使えるマルチなバリエーションや、レディ・ガガ自身が体現する個性的なメイクアップを商品に落とし込んだもので、個性の尊重されているニューヨークでは支持されているブランドと言える。
経済力のあるセレブリティたちは商品開発力はもちろんのこと、ライバルも多くなってきたこの市場で勝ち残ろうと商品のクオリティも申し分ない。その上、ブランディングにも力を入れているのだ。
文:菅 礼子
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ヘイリー・ビーバー
rhode skin
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キム・カーダシアン
SKKN BY KIM
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レディ・ガガ
HAUS LABS BY LADY GAGA
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