ここ最近、各所でAIの話題を目にしない日がないといっていいほどAI関連が盛り上がっている。少し前までは画像生成AIが話題の中心だったが、現在では対話型AIに注目が集まっている。この流れの発端となっているのは、間違いなく2022年11月に公開されたChatGPTと言っていいだろう。
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現在話題の対話型AI(チャットAI)は、人と会話をするように質問を投げると、やはり自然な言葉で応えてくれるというもの。こうしたAIは数年前から存在はしていたものの、イーロン・マスクなどの著名人も創設に関わった人工知能の研究や開発を行うOpenAIが、2022年11月に一般の人が利用できるChatGPTを公開したことで一気に盛り上がった。ChatGPTは人とチャットをするように自然な会話を行い、質問に応えるだけではなく、プログラム作成や小説の執筆などさまざまなことを行える。
一見すると、あたかもAIが自身で考え、回答してくれているような錯覚を起こすが、実際には大量に学習したテキストデータをもとに、文意・文脈にあった内容をそれらしく回答しているに過ぎない。その内容も必ずしも正確なわけではなく、誤った情報をもっともらしく回答することも少なくない。
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そんな対話型AIやChatGPTの盛り上がりに拍車をかけたのが、MicrosoftのBingへのAI機能の搭載だ。MicrosoftとOpenAIは2016年から協力関係にあり、MicrosoftはOpenAIに対して数十億ドルの投資を行っている。
そのMicrosoftが、2022年2月に同社の検索サービスBingにAI機能の搭載を発表、プレビュー版としてリリース。これによりBingは1日当たりのアクティブユーザー数が1億人を超えるなど、大きな注目を集めている。
「BingにChatGPTを搭載した」と伝えられることも多いが、実際にはChatGPTを統合・搭載したわけではなく、ChatGPTに利用される言語モデルGPT-3.5の次期バージョンとなるGPT-4を搭載しているようだ。ChatGPTよりも高速かつ正確で「より有能」だとしている。
また、基本的にChatGPTが学習したデータに基づいた応答しかできないのに対し、BingはWeb検索も行い参考リンクを提示できるという違いもある。Bingの回答も間違っていることがあるのだが、リンクがあることでファクトチェックを行いやすい。
MicrosoftはこのAI対応の新しいBingをモバイルにも展開。Windows11のタスクバーにも組み込むなど、AI対応を加速している。
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対話型AIに取り組んでいるのはMicrosoftだけではなく、Googleも今年2月に対話型AIサービス「Bard」を発表している。ただし、こちらはまだ広く利用できるわけではなく、ごく少数のユーザーでテストされている状況だ。5月に開催される年次開発者会議Google I/Oでさらなる情報が公開されるのを期待したい。
こう書くと、対話型AIに関してGoogleがMicrosoftに遅れをとっているようなイメージもあるのだが、実際のところはそういうわけでもない。というのも、ChatGPTなどにも利用される言語モデルGPT(Generative Pre-trained Transformer)の開発につながったTransformerというディープラーニングモデルは、Googleの研究開発部門であるGoogle Researchが研究を行っていたものなのだ。
確かに一般提供という意味では遅れているのだが、2021年のGoogle I/Oでは、ChatGPTに先んじて対話アプリケーション用言語モデルLaMDA(Language Model for Dialogue Applications)を発表しており、2022年6月には、GoogleのAI部門で働いていたブレイク・ルモワンが、LaMDAが独自の自我や感情を獲得したと主張し大きな話題となっていた。
GoogleはLaMDAの自我の獲得については否定しているが、一部の人にそう錯覚させるだけの高度なやりとりを行っていたのは間違いないと言えるだろう。先のBardには、このLaMDAの軽量バージョンが使われているとのことで、はたしてどのようなやりとりが行えるのか楽しみなところだ。
このほかにも、SkackやDiscord、NotionなどのサービスがAI機能を組み込んでおり、スレッドの要約や文章の下書き作成などができるようになってきた。また、OpenAIはChatGPTのAIを公開、アプリやサービスにAI機能を簡単に組み込めるようにしている。今後も対話型AIを使ったアプリやサービスは増加し続けていくだろう。これらのAIサービスが今後どう発展していくのか、これらかも注目していきたい。
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