一般的な自動巻き時計は中央に軸をもつ半円形のローターを備えている。これが回転することでゼンマイを巻き上げるのだが、外周にリング状の「ペリフェラルローター」を埋め込むようにセットした自社開発ムーブメントを2008年に発表。世界から一躍注目を集めたのがカール F.ブヘラだ。
ケースバックを覆うローターでなくリングが回転するため、それだけムーブメントを薄くできるほか、手巻きモデルと同じようにケースバック全体を見渡すことができる。この機構を「CFBペリフェラルテクノロジー」として発展させてきた高度な技術力をもつブランドだが、スイスの観光都市ルツェルンで1888年に開業した高級時計宝飾店がルーツであり、今年で創業135周年。これを記念して、カール F.ブヘラを代表する5モデルで構成したカプセルコレクションが登場した。
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複雑モデルやクロノグラフなど5タイプをラインナップ
このカプセルコレクションは、前述した「CFBペリフェラルテクノロジー」の搭載モデルとして、トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー、大型の日付表示窓をもつビッグデイトの3タイプをラインナップ。フライバック付きとアニュアルカレンダーを搭載したクロノグラフ2タイプも揃っており、5タイプそれぞれが多彩な質感のブラックカラーを装っていることが際立った特長になっている。
ペリフェラル3タイプのケースは、ブランド初の素材であるフォージドカーボン(鍛造炭素)を採用。超軽量で硬度が高く傷がつきにくいほか、ブラックベースの中にモデルによって1本1本が異なるグレーの個性的な模様が見られる。クロノグラフはSSケースだが、こちらも硬度が高く耐傷性に優れたマットブラックのDLC(ダイヤモンドライク・カーボン)でコーティング。自動巻きローターもブラックに塗装されている。それだけでなく、5タイプすべてが異なるテクスチャーのブラックラバーストラップを組み合わせており、これまでになかったクールでスタイリッシュな雰囲気に仕上がっている。
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ブランドの技術力と個性を代表するコレクション
このコレクションの主役とされる「マネロ トゥールビヨン ダブルペリフェラル ブラック」は、モデル名にあるように2つの機構にペリフェラル技術を採用している。自動巻きのローターに加えて、もう一つはトゥールビヨンキャリッジである。セラミック製ボールベアリングを組み込んだ3箇所のガイダンスパーツ(ダイナミックショックアブソーバー)がキャリッジの回転を支える、特許取得済みの「フローティングトゥールビヨン」を搭載。衝撃に強く、滑らかに正確に作動するという。キャリッジの回転を任意で停止して、時間を秒単位で調整できるストップセコンド機構も備えた、革新的なトゥールビヨンなのである。
このトゥールビヨンも含めて、ペリフェラルローターを搭載した3タイプは本数限定の特別モデルだが、クロノグラフ2タイプは通常販売される。機能やスタイルは異なるが、5タイプいずれもブランドの技術力と個性を如実に表現したシンボリックなモデルであり、価格も幅広い。このカプセルコレクションを好機として、カール F.ブヘラの魅力に開眼していただきたい。
問い合わせ先/スイスプライムブランズ TEL: 03-6226-4650
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