「スツール 60」90周年アニバーサリーモデルが発表、田根剛による日本限定品も

  • 文:Pen編集部
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フィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトが1933年にデザインした、アルテックの「スツール 60」が今年2023年に90周年を迎える。これを記念したアニバーサリーモデルが発表された。

三本脚の普遍的なデザインが特徴的で、タイムレスに愛され、素材のバーチ材も形もほぼ変わることなく、現在まで生産され続けているスツール60。90周年モデルとして発表されたのは、アルテックのデザインチームによる「スツール 60 コントラスティ」と「スツール 60 ロイム」、イタリアのデザインスタジオ・フォルマファンタズマによる「スツール 60 ヴィッリ」、田根剛による日本限定の「スツール 60 Sleeping Beauty − 眠れる森」の4つだ。

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Anniversary Editions
「スツール 60」90周年モデル

Stool 60 Kontrasti (スツール 60 コントラスティ)

スツール60の独創的な構造と技術に焦点をあてられており、高温熱処理を施した濃い色のバーチ材ベニヤ板を用いたラインを施すことで、「L-レッグ」(※)を強調。座面にも同様に濃い色のベニヤ板によるラインが施され、その効率的な製法をハイライトしている。2023年4月発売予定。

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※…「L-レッグ」は、無垢材の先端から曲げる部分まで切れ目を数ミリ間隔で入れ、その間に薄いベニヤ板を挟むことで、分厚い無垢材を柔軟に曲げることができる技法。

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Stool 60 Sleeping Beauty - 眠れる森

素材として使用される樹齢100年にも及ぶ木への敬意と、経年変化によって生まれる美しさに着想を得て生まれた。デザインは田根剛。無塗装のバーチの座面と脚を、国内のさまざまな場所から採取した土に眠らせ、赤や黒、グレーの色調を帯びさせることで、目に見えない時間を表現している。

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Stool 60 Loimu (スツール 60 ロイム)

フィンランド産バーチの美しさと多様性がテーマに、時に波状の炎のような木目模様が現れる希少な白樺の変種を使用。フィンランド語で「炎」を意味するロイム模様は、表面仕上げをすることで鮮明に浮かび上がるようになっており、同封されるオイル塗装セットで、手にした人が自らオイル塗装を施すことで完成する。このバーチ材は希少であるため数量限定。2023年夏発売予定。

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Stool 60 Villi (スツール 60 ヴィッリ)

イタリア人デザイナーデュオのフォルマファンタズマとの協働により誕生。従来のバーチ材の使用基準を再考し、気候変動によって以前より表出するようになってきた色の濃い部分や節、昆虫の生きた形跡のある木材をそのまま使用する。「Villi」はフィンランド語で「野生」「自然そのままの状態」を表している。2023年秋発売予定で、2024年よりアルテックのスタンダード製品としてラインナップに加わる。

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インスタレーション
「Celebrating 90 years of Stool 60」

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©ATTA-Atelier Tsuyoshi Tane Architects

田根剛が空間構成を手がける、スツール60の90周年を祝うインスタレーション「Celebrating 90 years of Stool 60」が、東京・ドーバー ストリート マーケット ギンザで3月18日から開催。「スツール 60 コントラスティ」と「スツール 60 Sleeping Beauty − 眠れる森」が世界初披露される。

Celebrating 90 years of Stool 60

期間:2023年3月18日(土)〜4月5日(水)
開館時間:11時〜20時
会場:Dover Street Market Ginza
住所 : 中央区銀座6-9-5 銀座コマツ西館