20万分の1にも満たないと言われる飛行機事故。しかし、ひとたび事故が起きると大惨事に発展しかねない恐ろしさがある。そこで知っておきたいのが、安全な席はどこかということだろう。統計上、「最も安全な席」は、多くの人が敬遠する場所のようだ。
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前方より後方が安全?
まず、これまでにあった飛行機事故のいくつかを紹介しよう。1989年にアメリカ、アイオワ州スーシティで起きたユナイテッド航空の墜落事故。乗客269名のうち、生存者は184名。そのほとんどは機体前方にあるファーストクラスより後ろの席に座っていた。
2009年にエールフランスが海に着水した際は、228名が死亡した。機首から着水したことから、前方の席の方が生存の可能性は低くなっただろう。
1979年に起きたニュージーランド航空の衝突事故のように、山の斜面に機体が衝突する場合は、乗客の生存率は総じて極めて低くなるという。
しかし、このような事故のデータをまとめていくと、前方の席より後方の席の方が死亡率が低いという。しかも、通路側の席ではなく、中央の席がいい。TIME誌が過去35年の飛行機事故データをまとめたところ、後方の通路側の席の死亡率は44%だったのに対し、後方の中央の席の死亡率は28%と最も低いことがわかった。つまり、統計上最も安全な席は、後方の中央の席と言える。
火災が起きれば、出口に近い通路側の席の方がすぐに機体から脱出できて安全かもしれない。しかし中央の席は、両側の人にはさまれることで、より守られやすいようだ。
また、飛行機の翼には燃料タンクがあるため、翼に近い席は墜落や衝撃後の火災のリスクが高いことも覚えておきたい。
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飛行機は自動車よりずっと安全
とは言え、飛行機の事故の確率はかなり低い。
2019年の世界のフライト数は約7000万便。そのうち死亡したのは、287名だった。アメリカ国家安全保障会議のデータによれば、飛行機で死亡する確率は約20万5552分の1。0.00048%でしかないという。一方、自動車による事故で死亡する確率は0.9%。自動車による死亡リスクは、飛行機の2000倍近く高いのだ。
飛行機事故が起きるとニュースで報道されることから、「飛行機事故は怖い」というイメージが先行しがちだ。しかし、実際はかなり安全な旅であると言ってもいいだろう。次に飛行機に乗るときは、席を選ぶ際に安全性も考えてみてもいいかもしれない。
【出典】
https://theconversation.com/whats-the-safest-seat-on-a-plane-we-asked-an-aviation-expert-198672
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