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1. IWC(アイ・ダブリュー・シー)
パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41
ヴィンテージ加工を施したブロンズケースに呼応するように、マット仕上げで濃く深い色合いを表現したネイビーブルーの文字盤。同色のストラップは工具を使わずボタンを押すだけで取り外しできる「EasX-CHANGE」システムに対応、交換も容易だ。プッシュボタン、リューズまでもブロンズで統一し、針やインデックスに加え、デイ・デイト表示の背景も色調を揃えた徹底ぶり。
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2. BELL & ROSS(ベル&ロス)
BR 03-92 ダイバー ブラウン ブロンズ
ブロンズケースと馴染みのいい、シックなマロンブラウン文字盤のダイバーズウォッチ。回転ベゼルは、陽極酸化処理アルミニウムで濃茶に仕上げたリング付きのブロンズ製。ピンクゴールドプレートで縁取ったアプライドインデックスや、ゴールドプレートの針など、リズミカルなアクセントの中に上品さを添えた。
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3. RADO(ラドー)
キャプテン クック オートマティック ブロンズ
シャイニーなソレイユ仕上げのグリーン文字盤に、ゴールドトーンの針とインデックスが映えるダイバーズウォッチ。1962年のオリジナルデザインを踏襲したヴィンテージルックはそのままに、高精度ムーブメントとブロンズケースを纏ってより長く付き合える一本に。ベゼルには耐傷性に優れるハイテクセラミックを採用し、同系色のNATOストラップは簡単に交換できる「EasyClip」システムに対応。
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腕時計のケース素材にブロンズを採用する例は、もはや珍しいものではなくなった。ブロンズは銅を含む合金であるから、酸素との接触で色が変わる。その酸化を、つまりは使い込むことによる変色を“劣化”ではなく、経年変化=エイジングとして、前向きに捉えて楽しむ考えが定着したということだろう。一方で、いつまでも新品のような美しい輝きを保つセラミックも流行しているのだから、両極端の嗜好が並び立っていることになる。腕時計の多様化を示す好例といえるだろう。
ブロンズ派にしてみれば、新品のツヤよりも“自分だけの”オリジナリティが重要だ。デニムやレザーのように、使い込むことで素材そのものが馴染み、味わいが増していく。刻まれるのは、ともに過ごした“歴史”であり、それは“個性”や“生き様”と言い換えてもいい。咲き誇る花の美しい一瞬を永続的に閉じ込めたのがセラミックであるとしたら、自然の中で環境に寄り添って深みを増していく木々や鉱物に「さび」を見出す行為こそがブロンズに感じる魅力と同義なのかもしれない。
さらにオリジナリティを高めるのであれば、文字盤やストラップの色にも気を配りたい。白や黒などベーシックなカラーが一般的ではあるが、ブルーやグリーン、ブラウンなど、ここ数年で選択肢はぐっと増えた。ファッションのコーディネートや好みに合わせた色を選ぶことも可能だ。自分色に育っていくブロンズケースとともに、それはきっと世界にひとつだけの一本になるはずだ。
並木浩一
1961年、神奈川県生まれ。時計ジャーナリスト。雑誌編集長など歴任し、2012年より桐蔭横浜大学の教授に。
※この記事はPen 2023年3月号より再編集した記事です。