ファッションデザイナーの故ヴァージル・アブローとメルセデス・マイバッハとのコラボレーションによって誕生したコンセプトカー「Project MAYBACH」と、それにインスパイアされた特別仕様車「Limited Edition Maybach by Virgil Abloh」が日本に上陸。お披露目を兼ねた記念イベント「Project MAYBACH Japan Launch Event curated by Kunichi Nomura」が、六本木の「メルセデス ミー 東京」で開催された。

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このイベントをキュレーションしたのは、ヴァージルと親交が深かった編集者・デザイナーの野村訓市氏。「ヴァージルは新しい人とか注目されている人とかではなくて、本人が気に入ったらどんな人であれ仲良くするような人だったんです。だから今日は実際にヴァージルと会ったことがあって、一緒にお酒を飲んだことがあるメンバー、ヴァージルが好きだったものを知っている人たちを中心にイベントをやろうと思って声をかけました」

メルセデス・マイバッハという超エグゼクティブに向けたブランドのイベントでありながら、会場にアットホームな空気が流れていたのは、野村氏のキュレーションの賜物だ。

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会場には「Project MAYBACH」と「Limited Edition Maybach by Virgil Abloh」の両車が展示。「Project MAYBACH」は、ヴァージルとメルセデスのチーフ デザイン オフィサー（デザイン統括）であるゴードン・ワグナーが立ち上げたプロジェクトであり、そこから生まれた唯一無二の存在感を放つコンセプトカーだ。

自然をテーマに、オフロードの環境下で走ることを想定したクルマでありながら、メルセデス・マイバッハが築き上げてきた伝統的な都市型ブランドとしての”洗練されたラグジュアリー”を再定義している。そのコンセプトは「未来の旅」。

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コンセプトカー「Project MAYBACH」について野村氏は、ヴァージルらしさが散りばめられたデザインだと話す。「フェンダー部分のネジをわざと剥き出しにしていたり、ハードなスーツケースを思わせるようなシートデザインにしていたり。通常であれば、高級車にロールケージを使うこともないだろうし。ヴァージルが生前にやってきたことの要素が所々に見られて、彼らしいデザインだなと思うと同時に、彼を思い出して寂しさも感じます」

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そして、コンセプトカーである「Project MAYBACH」から着想を得て生み出された市販車が「Limited Edition Maybach by Virgil Abloh」。「Mercedes-Maybach S 680 4MATIC」をベースにした特別仕様車で、販売は世界150台限定。日本で販売されるのはそのうちの13台となっている。

外装のカラーリングは、オブシディアンブラック（メタリックペイント）と砂漠をイメージした特別仕様車専用のコロラドベージュ（ソリッドペイント）のツートーンペイントで、専用のアルミホイールもコロラドベージュに彩られた、装いからしてスペシャルな一台だ。

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内装は外装と同じくブラックとサンドカラーの特別仕様車専用ツートーンで仕上げられている。室内にはヴァージル・アブローのロゴが随所に刻まれ、乗る者の心を満たしてくれる。 

シャンパングラス（2個）や格納式テーブル（後席）が備え付けられているのは、さすがメルセデス・マイバッハブランドだ。

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今回のイベントで、DJとして会場を盛り上げたEZ氏とMAGARA氏は、ヴァージルがシカゴで行った展覧会前日のパーティでもDJをしたふたり。

「ヴァージルは気になる人にすぐDMを送るようなフラットな人で、誰とでもつながるのが彼のおもしろさでもありました。シカゴでのパーティも現地の友達とやればいいのに、日本人の僕たちとやろうぜと言ってきたり。気さくに連絡をしてくれたんです」とは野村氏。

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アーティストのVERDY氏は、パリで野村氏からヴァージルに紹介されたことがきっかけで、日本で一緒にパーティをしたこともある間柄だ。VERDY氏はヴァージルからクリエイティブなことに対してパワーをもらえたと話す。「当時まだなにもなかった自分にもヴァージルは丁寧に接してくれたことを覚えています。年下の僕が生み出したものに対して、いいねと褒めてくれて、それが今も続く創作のパワーにつながっているんです」

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今回DJとしても活躍したVERDY氏。会場の雰囲気についてこう話す。「メルセデス・マイバッハのファンのみなさんもたくさんいらしていると思いますが、それだけではなく、訓市さんの周りの人たちもたくさん来られていて、いろいろな世代の人が集まっているのが印象的です。僕がヴァージルをフィーチャーしたパーティでDJをすると言ったら、韓国や香港の友達も駆けつけてくれて、すごく良い雰囲気の中でプレイできました」

野村氏は、ヴァージルのためだからこそ、こうしたパーティが実現したと話す。「なにかあるとそれを主催した人の手柄になりがちだけど、ヴァージルは”俺が俺が”みたいな人ではなく、関わるみんながハッピーになれるような心持ちの人でした。人とのそういう付き合い方こそヴァージルが遺したレガシーだと思うし、このイベントもヴァージルのそういう気持ちを汲んでみんなが集まってくれたんだと思います」

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「Limited Edition Maybach by Virgil Abloh」は、2月26日（日）まで全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じて、予約受付中。販売台数以上の申し込みがあった場合は抽選となる。納車は2023年5月以降の予定となっている。

ヴァージル・アブローの想いを継承する「Limited Edition Maybach by Virgil Abloh」。この特別仕様車は、街の風景を変え、見かけた人の気持ちさえも高揚させる力を秘めている。