チャールズ3世の戴冠式が間近…「ある爵位の行方」で英王室がもめている?

  • 文:宮田華子
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@ theroyalfamily – instagramのキャプチャ画像

エリザベス女王の死去に伴い、王位を継承したチャールズ3世。5月6日の戴冠式を前にして、「ある爵位の行方」が話題だ。

その爵位とは「エディンバラ公爵(=エディンバラ公/Duke of Edinburgh)」。代々王室メンバーが受け継ぐ称号の一つであり、2021年4月に死去したエリザベス女王の夫、故・フィリップ王配が保持していた。

この由緒ある爵位は、王配の生前から「いつかエリザベス女王夫妻の第4子(3男、チャールズ3世の末弟)であるエドワード王子が引き継ぐ」という合意があった。

 

 


2017年に撮影されたエリザベス女王とフィリップ王配。

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エドワード王子の正式称号は「ウェセックス伯爵」。1999年にソフィー・ヘレン・リース=ジョーンズと結婚した際にこの爵位を与えられた。

 


1999年6月19日に結婚したエドワード王子とソフィー妃。今年で結婚24年。エリザベス女王の子供で離婚経験がないのはエドワード王子だけ。

ちなみに爵位の階級は上から順に下記のようになっている。
公爵(Duke)
侯爵(Marquess)
伯爵(Earl)
子爵(Viscount)
男爵(Baron)

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君主(エリザベス女王)の子供であり「王子」にしては「伯爵」は低い爵位といえる。しかし英国民的にはこの控えめな爵位の授与は好意的に受け止めていたという。

 

とは言えHello Magazineによると「ウェセックス伯爵」授与時、バッキンガム宮殿は「王配および女王の死後になるが、『エディンバラ公爵』の称号はエドワード王子にいつか授与される」と発表していたため、この爵位の行方はほぼ決定したものだった。

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父・フィリップ王配が立ち上げた「エディンバラ公爵賞」の仕事もエドワード王子が精力的に引き継いでいる。@dofeuk – instagramのキャプチャ画像

フィリップ王配が死去後、「エディンバラ公爵」の称号は王室に戻された。しかしエリザベス女王亡き後の現在も継承はされず、現在はチャールズ3世に爵位授与の決定権がある。

そんな中、昨年11月、「チャールズ3世はこの爵位をシャーロット王女に授与することを検討している」というニュースがDaily Mailをはじめとするメディアで報道され、人々を驚かせた。

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急遽「渦中の人」となったシャーロット王女。突然言われても困りますよねえ…。@princeandprincessofwales – instagramのキャプチャ画像

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公務に勤しむ「静かな弟」、エドワード王子

エリザベス女王の第4子として比較的目立たない存在だったエドワード王子。彼が唯一大きく注目された「事件」は、2001年に明るみになった「プライバシー・ガイドライン違反」だ。当時大学生活を送っていたウィリアム王子。彼のプライバシーを侵害しないというメディア・ガイドラインがあったにもかかわらず、エドワード王子が経営していた映像製作会社(2009年に解散)の撮影隊がこの規定に違反した。

 


この事件に、ウィリアム王子の父・チャールズ3世は激怒したという。

エドワード王子はこの事件をきっかけに製作会社を辞任し公務に専念することを発表。20年の時が過ぎすっかり汚名を返上した現在、妻・ソフィー妃の尽力もあり「公務に熱心な王室メンバー」として好感度の高い王室メンバーという印象だ。

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公務中のソフィー妃。彼女も高い人気を誇る。@theroyalfamily – instagramのキャプチャ画像

そんな「静かな弟」はチャールズ3世にとっても頼もしい存在。アンドルー王子(故女王の次男、ヨーク公爵)に未成年買春スキャンダルが浮上した際も、エドワード王子はチャールズ3世の良き相談相手だったと伝えられている。

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「小さな王室」を目指している国王

そんな「頼りになる弟」を差し置いて「公爵」の称号を孫娘・シャーロット王女に授与する…となれば、「静かな王子」も気分が悪いはずだ。

チャールズ3世はヨーロッパの他の王室が「王室のスリム化」を図り、改革を行っていることを理解していると言われている。エドワード王子に「エディンバラ公爵」の称号を授与した場合、現在「セヴァーン子爵」の称号を持つ長男のジェームス(2007年生まれ)が「エディンバラ公爵」を継承するのが流れとなる。しかしセヴァーン子爵・ジェームスの王位継承順位は現在第14位。彼が国王になる可能性はほぼないが、高い爵位が王位継承順位の低いメンバーにも広がることは「王室のスリム化」に逆行することだと懸念しているとも言われている。

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ウクライナのゼレンスキー大統領の来英時、バッキンガム宮殿で面会したチャールズ3世。@theroyalfamily – instagramのキャプチャ画像

エドワード王子か?はたまたシャーロット王女か? 不明な2カ月を経た後、今年1月後半に「国王は気持ちを変えた様子だ」とMirror等が伝えている。

報道によると、チャールズ3世は考えを変え、エドワード王子に亡き父の爵位を授与する意向だが、シャーロット王女が成長したときに彼女が爵位を引き継ぐ可能性も検討しているという。

王室の正式発表はまだされていないため、「エディンバラ公爵」の称号が誰の元に行くのかは分からない。チャールズ3世が戴冠式前に決断するのかどうか、注目が集まる。

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【画像】チャールズ3世の戴冠式が間近…「ある爵位の行方」で英王室がもめている?

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2017年に撮影されたエリザベス女王とフィリップ王配。

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1999年6月19日に結婚したエドワード王子とソフィー妃。今年で結婚24年。エリザベス女王の子供で離婚経験がないのはエドワード王子だけ。

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父・フィリップ王配が立ち上げた「エディンバラ公爵賞」の仕事もエドワード王子が精力的に引き継いでいる。@dofeuk – instagramのキャプチャ画像

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急遽「渦中の人」となったシャーロット王女。突然言われても困りますよねえ…。@princeandprincessofwales – instagramのキャプチャ画像

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公務に勤しむ「静かな弟」、エドワード王子

 


この事件に、ウィリアム王子の父・チャールズ3世は激怒したという。

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公務中のソフィー妃。彼女も高い人気を誇る。@theroyalfamily – instagramのキャプチャ画像

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「小さな王室」を目指している国王

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ウクライナのゼレンスキー大統領の来英時、バッキンガム宮殿で面会したチャールズ3世。@theroyalfamily – instagramのキャプチャ画像