400年続くお祭り「十日市」、縁起物の「起き上がり小法師」… 多彩な魅力あふれる会津若松の魅力5選

  • 写真・文:鈴木修司
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ビームスジャパンの鈴木修司です。新年が明けたと思ったら、もう二月。今年も突っ走ってしまいそうですが、今回の旅の舞台は新年早々に訪れた福島県は“会津若松”です。

ご存知の通り、福島県は北海道と岩手県に次いで三番目の広さを誇り、太平洋沿いの“浜通り”、福島市や郡山市を含めた内陸の“中通り”、そして独自の風土と文化が色濃く続く“会津”の三つの地方に分かれています。

それぞれが違う国のように個性を持っているので、あまり知られていませんが福島県は多彩な魅力に溢れているのです。ほかの地方についてお伝えするのはまたの機会にするとして、今回は“会津”地方について紹介させて頂きます。

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1.会津若松の「十日市」

たまたまでしたが会津若松を訪れた日が、一年で会津若松の街に最も人が集まる“十日市”という400年続くお祭りでした。お祭りというよりは、新年最初の“市”の日なので、新年を迎えるにあたって必要なモノを買い求めたり、新年をお祝いするための地元の方にとって大切な日です。

これまで何度も会津若松の街を訪れて来ましたが、聞いていた通りに驚くほどの人の多さで、見たことのない賑わいでした。とんと味わっていなかった“お祭り感”を満喫でき、幸せなひとときでした。

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2.新年を迎えるための縁起物「起き上がり小法師」

地元の方が十日市で何を買い求めるかというと、新年を迎えるための縁起物です。「七転び八起き」ということで、福島どころか全国区の縁起物として知られる“起き上がり小法師”は、じつはこの日のためのものなのです。

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私もこのことを知ってからはそうしているのですが、この十日市の日に、家族の人数にプラス1の数の起き上がり小法師を手に入れ、昨年のものと入れ替えるのです。なんでプラス1?なのかというと、諸説ありますが、なにか災いがあった時の家族の身代わりに、起き上がり小法師なってくれるという、お守りのようなものなのです。

また、面白いのが購入する時のやり方です。私もこの時が初体験でしたが、山ほど並べられた(というか積まれた)ものからざっくりとした数を手元に引き寄せ、その中でちゃんと起き上がった“小法師”から必要な数を選ぶわけです。

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ここにも、厳しい自然環境の中で逞しく生きる会津地方の人々の気質が現れていると、勝手に感心してしまいます。

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3.掘り出し物が見つかる「絵蝋燭」

起き上がり小法師の話が長くなってしまいましたが、会津地方にはそれ以外にも沢山の魅力的なモノがあります。そのいくつかを紹介すると、まずは“絵蝋燭”です。

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日本各地に絵蝋燭なるものはありますが、この地方のものはとても良いです。一本一本手作りの蝋燭に、職人が手書きで幸せな花柄を施し、どの花も魅力的です。素朴ですが、気持ちの良い華やかさがあり、ついつい手に取ってしまうものです。

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4.七日町通りの「鶴乃江酒造」

私のオススメは“七日町通り”にある「ほしばん絵そうろく店」の絵蝋燭ですが、その七日町通りからもう一つ紹介させてください。それは私も大好きな会津の銘酒“会津中将”で知られる“鶴乃江酒造”さんです。

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様々な銘柄が作られていますが、地元でしか手に入らないものもあり、なかには酒蔵の直営店でしか買えないものもあります。杜氏の名前を冠した純米大吟醸“ゆり”を頂きましたが、雪の中を歩いた七日町通りを思い出し、格別の美味さでした。

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5.愛嬌のある顔付きの「中ノ沢こけし」

美味しいお酒の余韻に浸っていると時間も足りなくなってしまいますが、会津若松でもう一つだけ紹介いたします。

東北の各地方に伝わる“こけし”は、6県それぞれにこけし産地があり、その中で独立した系統として認められた最新が“中ノ沢こけし”です。ほかの地方と同じく温泉地である“中ノ沢温泉”周辺に伝わり、もっとも特徴的なのが“たこ坊主”と呼ばれる何とも言えない愛嬌のある顔付きです。 

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こけし好きならずともハマる人にはハマる“ツボなこけし”と勝手に気に入っています。ちなみに中ノ沢温泉は会津若松と合わせて訪れるのに良い場所にあるので、是非とも一緒に堪能頂ければと思います。“こけし”だけでなく、もちろん温泉、観光にもオススメの場所です。

連載記事

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。